介護福祉士/介護福祉士試験について

介護福祉士試験不合格者のためのリベンジ学習法

過去の試験で不合格だった人が、次回の試験で合格するためにはどうしたらよいのでしょうか。「介護福祉士受験対策講座」で40%台だった合格率を一気に約90%まで引き上げた実績を持つ実力派講師で、現場経験も豊富な「ThreeHearts」代表の大塚克巳さんにガイドがインタビュー。学習法から実際に試験に臨んだときの問題の解き方まで幅広くうかがいました。

小山 朝子

執筆者:小山 朝子

介護福祉士ガイド

不合格だった場合、勉強法は前回と変えるべき?

ーー過去の試験で残念ながら不合格だった人が、次回こそ合格するためにはどうしたらよいのでしょうか?

大塚講師 これまでの勉強方法を変えずにいると、また同じ結果になる可能性があります。不合格だった人は、試験慣れをしていなかったことも考えられます。一度、本番と同じ時間設定で過去問を解いてみて、自分の実力を把握することも大切です。

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現在は介護リスクコンサルタント及び介護コンサルタントとしてもご活躍の大塚克巳さん

過去問を解いて『たまたま正解だった』といった回答もあると思います。その『たまたま』を『たまたまでなく確信的に』回答できるようになるよう学習を進める必要があるのです。

ーー合格を確実にするためのリベンジ学習法について、もう少し詳しく教えてくださいますか?

大塚講師 私はよく、受講者のみなさんに横文字を使って解説することがあります。

勉強法については『WILL』『CAN』『MUST』という単語を例にします。『WILL』は意志や目標(~するつもり)、『CAN』は可能性(~できる)、『MUST』は義務(しなければならない)と訳されますが、合格という目標を達成するには以下の計算式を意識してください。

 WILL-CAN=MUST

これは、合格という「目標」から「今できていること」を引く、それがあなたがしなければならないことだと示しています。

「できていること」とは過去問などを解くなかで、正解した問題や得意な教科のことです。つまり、MUST、しなければならないこととは、間違った問題や苦手な教科のことなのです。

『CHANGE』は『CHANCE』!!

もうひとつ、横文字を使って学習法の解説をします。

『CHANGE(チェンジ)』は『CHANCE(チャンス)』になりうるということ。
『CHANGE(チェンジ)』と『CHANCE(チャンス)』。
このふたつは、スペルが非常によく似ており、違うのはGとCの些細な部分です。この些細な部分にウェイトをおいて学習することもおすすめします。

今年、平成27年度は介護保険制度の内容や報酬体系が変わり、変わった内容が出題される可能性があります。変わったときはまさにチャンスなのです。

ーー苦手な教科として、法律などが出てくる『社会の理解』を挙げる人が多いようです。こうした科目を重点的に学習するとよいということですか?

大塚講師 はい、そのとおりです。社会福祉の歴史と老人福祉法などの制度については、ぜひとも押さえておきたいところですね。

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制度ができた背景も理解しておこう

制度については、なぜその制度ができたかという根拠があるので、そうした背景についても頭に入れておくと、より理解が深まります。

暗記ブックのようなものも売られていますが、年号は語呂合わせを自分流に作ってみたほうが覚えやすいのではないでしょうか。

介護福祉士の筆記試験は午前と午後に分かれています。制度について覚える必要のある『人間の尊厳と自立』や『社会の理解』といった科目は午前中に出題されます。

一方、午後からは『認知症の理解』『こころとからだのしくみ』など、現場で働くみなさんにとっては得意だと思われる内容で、落としてはならない問題が出題されます。
午後の問題については確実に点数がとれるよう本番まで確認を重ねましょう。


不安を払拭し、自信をもって本番に臨む

ーー本番の試験で問題を解く際のアドバイスがあればお願いします。

大塚講師 近年の試験は、「正しいもの」「最も適切なもの」「適切なもの」を選ぶ出題形式で5つの回答から選ぶ5択となっています。5つの中に回答があるわけですから、確率は2割です。

実際に問題を解くにあたっては、間違った答えを消していく「消去法」をおすすめします。

また総合問題などで迷ったら、
1 尊厳の保持
2 自立(自己選択、自己責任)
3 自立支援
上記3つのキーワードに見合った選択肢を導き出して問題を解いてみましょう。

合格基準は総得点の60%程度で、11の科目群すべてに得点することです。
パーフェクトを求めるのでなく、4割弱は間違えても良いと考えて、必要以上に不安がらないことでしょうね。
受講者のみなさんには「ここまでやってきたのだから」と不安をとりのぞく言葉をかけるようにしています。

「資格なんて」と言う人がいますが、資格は持っていて荷物になる訳でもなく損もしないものです。ぜひ合格を手にしてほしいです。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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