イスタンブール/イスタンブールの観光・世界遺産

トルコで人気!サークップ・サバンジュ美術館が面白い

トルコを代表する財閥の一つ、サバンジュ財閥のコレクションが展示されているサークップ・サバンジュ美術館は、その豊富なコレクションが有名です。元邸宅が美術館になっているため、色々な意味で見どころ満載! 一味違ったイスタンブールの観光スポットです。

執筆者:安尾 亜紀

イスタンブールの穴場スポット、サークップ・サバンジュ美術館

Sakip Sabanci Muzesi

近現代博物館のはしりの一つ、サークップ・サバンジュ美術館

イスタンブール観光といえば、なんといってもユネスコ世界遺産にも指定されているスルタンアフメット地区が目玉。アヤソフィア、トプカプ宮殿、ブルーモスクといった歴史的観光スポットが目白押しで、確かにどれも歴史深いイスタンブールならではの見どころです。

Sakip Sabanci Muzesi

Follow the Code, 2012。近現代美術館とはいえ、時代にとらわれない展示が特徴

ところがここ数年、近現代トルコの絵画や彫刻といった美術品も世界的にトレンドになっており、これにともなってイスタンブールの美術館やギャラリーなどが注目を集めています。そんな近現代美術館としてイスタンブールを代表するミュージアムの一つがここ、サークップ・サバンジュ美術館です。

 

サークップ・サバンジュ美術館とは……?

Sakip Sabanci Muzesi

Reinforcement Balls, 2015

Sakip Sabanci Muzesi

サンバンジュ家2代目、サークップ氏の肖像画もあります

サバンジュ家は、トルコで最も力を持つ財閥の一つ。この財閥の2代目社長、サークップ・サバンジュ氏は美術品のコレクターとしても有名だったのですが、彼のコレクションを展示したのがこの美術館のはじまりです。オープンは2002年で、その後2005年に行われた改装では世界スタンダードに準拠した美術館となり、常設展以外に世界中から有名な作品を集めて特別展を行うようになりました。トルコで初めて本格的なピカソ展、モネ展、ミロ展などを開催したことでも知られ、これはトルコの経済発展と共に広まった芸術ブームの始まりでもあり、それまで世界的に有名な作品を見る機会があまりなかったトルコ人が芸術に触れられるきっかけになったのです。

どんな展示が見どころ?

Sakip Sabanci Muzesi

トルコを代表する画家オスマン・ハムディ・ベイをはじめとした、タンジマート期のインテリトルコ人によって描かれた当時のトルコの風景が見どころ

Sakip Sabanci Muzesi

サークップ氏本人が趣味で収集していたという手書きのコーランなどはかなりのもの


 
常設のコレクションとしては、オスマントルコ帝国時代から残るハットと呼ばれるカリグラフィー(アラビア語書道)が有名です。手書きのコーランやスルタンの勅令、手紙、昔の文房具などのコレクションはかなり豊富で、およそ100近くが展示されています。これらの作品は質が高く、海外の有名美術館に貸し出されることもよくあります。

ガイドが個人的に好きな、もう一つの常設コレクションは、オスマントルコ帝国末期~トルコ共和国初期の絵画コレクション「タンジマート期から共和国にかけてのトルコ絵画」。これは、オスマントルコ帝国末期の西洋化政、タンジマート(日本でいうところの明治維新 のような近代化政策)期にトルコを訪れた欧米の印象派画家による作品、そし てフランスなどに留学して西欧の絵画手法を学んだトルコ人画家たちによる作品が中心となっています。当時のイスタンブールの情景が柔らかく、美しく描かれているのが特徴で、とりわけトルコを代表するオスマン・ハムディ・ベイの作品は見ごたえアリ。


 
Sakip Sabanci Muzesi

ちょっとおじゃましてます…… 的な雰囲気満載のファミリールーム展示

サバンジュ家が生活していた当時の部屋がそのまま残され、インテリアや装飾品が所せましと展示されている「ファミリールーム」エリアも必見。ボスポラス海峡沿いの高級住宅地エミルギャンにたたずむこの邸宅、実は1927年にイタリア人建築家によって建てられた歴史的建造物で、当初は夏の別荘として使われていましたが、1950年にサバンジュ家が購入し、長らく住居として使われていました。敷地内には1864年にフランス人彫刻家によって作られた馬の彫刻があることから別名「馬の邸宅」ともよばれています。そんなサバンジュ家邸宅内のファミリールームコレクションは、超セレブなお宅にお邪魔してしまったような感覚で鑑賞することができる独特な展示です。トプカプ宮殿のような豪華さや、ちょっぴり成金風味が垣間見えるところが面白味の一つでしょう。

その他の見どころは?

Sakip Sabanci Muzesi

ボスポラス海峡を望む「馬」は美術館のシンボル

Muzedechanga

インテリアも、食事も、景色もかなり高得点(?Muzedechanga)

また、美術館内にある「ミュゼデチャンガ(Müzedechanga)」は、かなりレベルの高いレストランなので、ぜひ訪れてみて。ベイオールにあるレストラン「チャンガ」の支店なので味は保証付です。トルコ人は週末の朝など、このレストラン目的で美術館を訪れる人も少なくなく、目の前に広がるボスポラス海峡の絶景を楽しみながらブランチをするのもなかなかぜいたくな体験。
※2015年7月13日~8月2日はクローズ


 
Sakip Sabanci Muzesi

入口から美術館までの坂道は緑に囲まれていて、ところどころベンチで休めるようになっているのでブラブラ散歩にもぴったり

美術館の敷地は坂の上に向かって広がっており、豊かな緑におおわれた庭の植物にも一つ一つ説明パネルがついています。季節のいい時などには、ブラブラ散歩しながらボスポラス海峡を一望できる気持ちのいいエリア。美術館、緑、景色、レストランを楽しめるサバンジュ美術館、イスタンブール滞在時に一度は訪れてみてほしいスポットです。

<DATA>
Sakip Sabanci Müzesi(サークップ・サバンジュ・ミュゼシ)
住所:Sakip Sabanci Cad. No:42, Emirgan
電話番号:0212-277-2200
開館時間:10:00~18:00、水曜日は~20:00(月休)
入場料:20トルコリラ(水曜日は無料)
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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