オペラファン、ウッディ・アレンの奇癖

映画監督であり喜劇俳優のウッディ・アレンは、実は大のオペラファンでもあります。アレンの奇癖と恐怖症は有名で、昆虫(特に蜘蛛)、太陽、犬、高いところ、飛行機旅行、群衆、癌、死、ホテルの洗面所が苦手だそうです。彼は恐怖を克服するため、靴を履いて就寝し、2分ごとに脈をとっているそうです。本当に変わっていますね。

 

儀式に彩られたオペラの世界

アレンが愛するオペラの世界も、奇妙な癖に取りつかれた歌手がいっぱいいます。オペラ歌手にとって、声は磨くべき宝物であり、金のように大切にしておくものです。そのため、開演前にリンゴを食べたり、パイナップルジュースを飲むことを習慣にしているオペラ歌手は結構たくさんいます。

同様に、開演前には一切口を開かず、一言も発しないことで、喉を最高の状態に保っておくオペラ歌手もいます。このような習慣で本当に喉をいたわることができるのかは謎ですが、いつもの習慣を守ることが精神安定剤のような役割を果たしているのかもしれません。

彼らにとって、オペラというのは儀式が必要な宗教のようなものなのです。


エンリコ・カルーソーの偉業と奇妙な癖

イタリア人歌手、エンリコ・カルーソーは、歴史上最も高名なオペラ歌手の一人として挙げられます。カルーソーは、完璧な声と明るい性格で、イタリアオペラを中心に40を超える登場人物を歌い上げました。1902年に、テノール歌手として初めて自分の歌声を録音して、劇場に足を運べる一握りのエリートのための芸術であったオペラを庶民に近づけることに成功しました。このことはオペラ界にとって画期的な出来事でした。

その後、プラシド・ドミンゴ、ホセ・カレーラス、ルチアーノ・パバロッティが、「3大テノール」のコンサート公演でカルーソーの偉業を引き継いだことは皆さんもご存じでしょう。

他方、カルーソーの開幕前の奇妙な癖はファンにも知られていませんでした。彼は、まず温かい塩水でうがいをした後に、鼻から直接吸い込む煙草を吸い、ウィスキーを少し口に含み、炭酸水を飲み、最後にリンゴを食べていました。その後、彼が9歳の時に他界した母親に祈りを捧げていました。

これら一連の儀式を行わなければ、舞台に登場する準備が整わず、その夜の舞台は失敗に終わると信じていたのです。