「笑い」がもたらす心身への効果

子供の場合、笑う門には○○来たる?

子供の場合、笑う門には○○来たる?

笑うことが心や体に良いということは医学的に実証されつつあり、最近では病気の予防や治療においても注目を浴びています。例えば、
  • 免疫力アップ…がん細胞や体内に侵入するウイルスなどを退治しているナチュラルキラー(NK)細胞を活性化させる
  • 血行促進…体内に酸素がたくさん取り込まれるため、血のめぐりがよくなる
  • 幸福感の向上…幸福感をもたらす脳内ホルモン・エンドルフィンが分泌される
などなど、心身ともに健康にしてくれることが分かってきています。

ここまで医学的でなくても、笑ったことで助けられた、救われたという経験、きっとだれもがしていると思います。例えば、イヤなことがあって落ち込んだ日の夜、お笑い番組で大爆笑して、昼間の落ち込みから立ち直ったことはありませんか?

そんな「笑う門には福来たる」現象、子供たちにとってはどうなのでしょうか? 最近、フランス・パリで行われた、子供たちを対象にした笑いの効用の実験があるので、それをご紹介しましょう。


赤ちゃんにもあった!笑うことの効用とは?

この実験は、18か月の赤ちゃんを対象に行われました。テーマは、笑いがもたらす学習効果。

まずはじめに、子供たちに、アヒルのおもちゃと段ボールの熊手を見せました。
そして、アヒルと遠くに置き、熊手を使って、手元に引き寄せるという方法を教えました。

その際、子供たちを2つのグループに分け、説明の仕方を次のように変えました。
  • 熊手の使い方をシンプルに伝えただけの「グループ1」
  • 熊手の使い方をユーモアたっぷりに伝えた「グループ2」(そのユーモアに、笑った子もいれば、笑わなかった子もいた)
そして、実験は次のステップへ。

今度は、熊手を子供たちのそばにおき、教えてもらったやり方をまね、アヒルを引き寄せるかどうかを観察しました。すると、グループ間、そしてグループ内でも、大きな違いがあることが分かりました。
  • 普通に説明を聞いたグループ1では、熊手を使ってアヒルを引き寄せることができた子は、わずか25%だった
  • グループ2(ユーモアあり)で、笑いながら説明を聞いたうちの94%の子が、アヒルを引き寄せるために、熊手を使った
  • グループ2で、実験者がユーモアを使ったのにもかかわらず笑わなかった子たちは、熊手を使う率がもっとも低く、19%だった
グループ1と2で差があったのは、想定内だったかもしれません。でもグループ2の中での94%と19%という差は、予想以上だったのではないでしょうか。


子供の笑いのツボをキャッチできれば大成功

この実験で分かるのは、「笑いを引き出すこと」がポイントということ。ユーモアは伝わることで、学習効果につながりやすくなるようです。一方通行では、ダメなんですね。

でも、子供の笑いのツボって、結構難しいですよね。これまで自分的には面白いと思ってやったのに、子供に伝わらず、しらけてしまったということってありませんか? そして反対に、思いもよらなかったことが、大うけしたということもあるのではないでしょうか? 大人には大人の笑いのツボがあるように、子供にも子供の笑いのツボがあるのですね。それをキャッチすることこそ、子供を伸ばす秘訣なのかもしれません。

1つ朗報なのは、「笑い」は目に見えるものだということです。この実験の対象となった18か月の子と言えば、言いたいことを言葉で表すのは難しい時期。でも、笑いならば、見てすぐにそれと分かるので、親として活用しない手はありません。

何かを教えてあげるときに、子供がケタケタと声をあげて笑うような説明ができれば、それはきっと大成功のサイン。子供心をうまくキャッチして、ぐんぐん伸ばしていってあげましょう。


*出典:Cognition and Emotion (2015) 「 Humour production may enhance observational learning of a new tool-use action in 18-month-old infants」

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。