フィルターカバーごと捨てるという斬新さで、とことん省手間
この製品のもうひとつの目玉は、フィルターの交換方法です。最初に「フィルターは交換式なのでお手入れは楽!」という説明を聞いた時は、とは言っても、交換するにはフィルターカバーを取りはずさなくてはならず、やはりそれなりに手間は増えるのでは?と感じたのが正直なところ。しかし、外観のカバーはフィルターと一体化されていて、そのまま丸ごと取り替えてしまうというからビックリ!交換方法を見たとたん「はぁ~さすがdyson、やることが大胆」と度肝を抜かれました。ちなみに、フィルター交換目安は12時間使用で約1年間。何も手入れをしないと、さすがにメッシュ部分にはホコリが蓄積しますので、定期的に掃除機でホコリを吸い取ることをおすすめします。フィルター周りのメッシュ部分も捨ててしまうのは、なんとなくもったいない気もしますが、なかなか思い切った仕組みに感激しました。dysonの扇風機は、もともと羽がないということで、本体にもホコリがたまりにくく、するっと拭くだけで済むのが楽です。今回、空気清浄機能を搭載しましたが、フィルター交換にもこの精神は受けつがれていたのは、さすがです。
扇風機としてはとても優秀だが、空気清浄機がメインではない
風量の調整は10段階。OFFタイマーが15分・30分・45分・1~9時間の間は1時間単位で設定可能です。運転音も前モデルと比べ、非常に静かになっています。もちろん風量10にすればそれなりの運転音はしますが、風量4以下であればほとんど音がしないので、ずっと運転していても気になりません。ソファ脇など少しのスペースにも置けるし、羽がないのでペットが近寄っても安心!
しかし、これ一台でリビングなどある程度の広さがある部屋全体の空気が浄化できるかというと、正直難しいと感じます。現在リビング向けに発売されている空気清浄機は、適応床面積が40畳・30畳と大型になっていますので、10畳の性能はかなり遅い清浄スピードとなります。そもそも、締め切った空間であっても給気口や窓やドアの隙間から外気は入ってきますし、人が居れば20分・30分の間一切動かないということはないので、常に微細なホコリは侵入または舞い上がっています。だからこそ、実際の部屋より適応床面積の大きい空気清浄機でないと実質室内の空気はキレイになりません。さらに、ホコリセンサーや臭いセンサーが搭載されているわけではないので、空気の汚れを見つけ、素早く風量アップする空気清浄機とは大きく性能が異なります。また、風が前方に広い範囲で吹き出す構造のため、冬の使用はやはり寒いと感じます。これらの点を踏まえると、空気清浄機が主たる目的ではなく、扇風機として購入する人におすすめすべき製品でしょう。
★まとめ★
数ヶ月使用してみて、扇風機としての評価はもともと高い上、空気清浄機能が搭載されことで付加価値も付き、一段と魅力的になったと感じます。個人的には、8~10畳程度の部屋であれば、空気清浄機能の効果もそれなりに期待できると思います。扇風機も欲しいけれど空気清浄機と2台置くと狭くなるのが懸念される広さなので、設置スペースの少なさは魅力でしょう。特に、運転音も静かでスリープタイマーもあるなどの長所を踏まえると、寝室での使用が最適だと感じます。心地よく清潔な風を得られ、あるとちょっとリッチな気分になれるこの製品、夏のお供にいかがでしょうか?