デビュー4年で早くもSVに辿り着いた
SV。この名前を聞いて、心ときめかないランボルギーニファンはこの世にいない。そう断言してもいい。古くは、ミウラSV、ディアブロSV、最近ではムルシエラゴSVと、いずれも特別中の特別、夢のまた夢、そんな存在だからだ。2011年にデビューした、現行ブランドフラッグシップのアヴェンタドール。ノーマルはまず、LP700-4と呼ばれた。カーボンモノコックボディをもつ革新的なこのスーパーカーは、デビュー後4年で、早くもSVにまで辿り着いた。
その名も、LP750-4SV。世界限定600台。ムルシエラゴSV(350台限定)よりも台数で多く、モデルライフの早い段階での投入となったが、それだけアヴェンタドールの人気がすさまじく、世界中で“売れている”からだろう。
アヴェンタドールSVで、まずは誰もが注目するのは、車名にも謳われている750psの6.5L V12エンジンだろう。SVのハイライトのひとつである。
可変バルブタイミングと可変吸気システムの最適化、新排気システムの採用あたりがポイントで、いわゆるファインチューンだ。最高出力はノーマルの700ps/8250rpmから、750ps/8400rpmへ引き上げられた。最大トルクは690Nm/5500rpmで、ノーマルと同じ。
車両重量も内装の簡略化などで50kgダイエット。その結果、パワーウェイトレシオはほぼジャスト2kg/psとなり、スーパースポーツの加速指標である0→100km/h加速でノーマルよりマイナス0.1秒の2.8秒を達成した。
ランボルギーニファンにとっては、V12エンジンとともに重要なのがルックスの変更だ。SVのスタイリングをひと言でいうと、軽量化と空力性能の向上の結果である。もともと低く幅広いボディが、よりいっそう平べったく、そしてシャープに見えるのは、CFRP(カーボンファイバー強化樹脂)製の各種エアロデバイスが車体全体を取り巻いているから。なかでも特徴的なのが、固定式となったサイドインテークと大型のマニュアル可変(3段階)のリアウィング。そのほか、フロントバンパースポイラーやサイドステップ、そしてリアデュフューザーも大幅なデザイン変更を受け、全長もわずかに延びた。
結果、ダウンフォース性能アップ(+170%)を中心に、エアロダイナミクス効率の劇的な向上(+150%)を果たしている。
軽量化についても解説しておこう。そもそもアヴェンタドールは、カーボンファイバーテクノロジーの申し子のようなモデルである。
RTM—ランボと呼ばれる特許成型法で生産されるモノコックボディを筆頭に、プリプレグ成型(いわゆるドライカーボン)のルーフパネル、ブレイディング成型のルーフピラーやロッカーパネルなど、アルミニウム製前後サブフレームに挟まれたカーボンファイバーキャビンは、それ自体がCFRP最新成型法のショーケースである。
SVでは、ノーマル比で50kgのダイエットに成功した。メインのダイエットメニューはインテリアの軽量化。特に、カーボンむき出しのフロア、シンプルなカーボンドアパネル、薄型カーボンシェルのスポーツバケットシートなどが、重量減に貢献する。ちなみに、インフォテインメントシステムも省かれているが、無償で装備することも可能(このあたりが、スペック軽量化のマジック)。