思い出話? 妻にとっては何年経っても消えない心の傷だ。(c)Maria Schaefer Photography
急に介護が必要となった夫の状況に妻の気持ちが追いついていなかった、この事件。介護をしているうちに、36年前に夫が不倫したことがふと話題にのぼったという。夫は気が緩んだのか、その不倫相手を次第に好きになったことや旅行したことまで打ち明けたという。
妻は当時、夫と不倫相手が一緒に歩いているところを押さえている。夫は謝罪し、妻は子どもたちの前で夫を責めることもなかった。自分自身のプライドもあったのだろう。20歳で結婚して、夫以外の男性とつきあったことさえなかったという。
我慢しても「なかったこと」にはならない
我慢をせず、本気でぶつかることで気持ちを前向きに?(c)bacoo-pix
もし、あのとき、妻が本気で怒っていたら……。夫に真剣にぶつかって、「私にとって耐えられない」「ばかにするな」と叫んでいたら……。夫はその事件を今になって蒸し返しただろうか。もし蒸し返したとしても相手の女性のことではなく、「あのときのおまえは怖かった」と、妻に焦点が当たったのではないだろうか。
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