遺産と呼ばれるヘリテイジに迫る
111年という途方もない歴史を持つハーレーダビッドソン。ときの流れとともにモデルは進化し、今やハーレーもコンピューター制御される時代になっているわけですが、自身の歴史に対するリスペクトの念を持たせたモデルを今なお輩出し続けています。そのなかの一台が、このFLSTC ヘリテイジソフテイルクラシックです。
「遺産」と名づけられたこのモデル、現ラインナップのモデル同様にECMというコンピューターを頭脳に持つフューエルインジェクションモデルでありながら、内部にそんな最新機能が備わっていることを感じさせないノスタルジックな外装でまとめられています。
ヘリテイジに落とし込まれた伝統は、「リジッド型のソフテイルフレーム」、「前後16インチホイール」、「油圧式フロントフォーク」、「往年の名モデルを彷彿させるレザーパーツ」など。ハーレーの歴史に精通している方なら、1960年代のハーレーを象徴するFLHFを思い起こすのではないでしょうか。そう、このスタイルはハーレーダビッドソン特有のもので、半世紀以上受け継がれてきた“遺産”(ヘリテイジ)そのものなのです。
30年もラインナップに並ぶベストセラーモデル
興味を持たれる多くの方がそうかと思いますが、ハーレーダビッドソンというブランドに対しては“古き良き時代のアメリカ”をイメージする存在と見られていることでしょう。その証拠に、このヘリテイジがデビューした1986年から数えるとちょうど30年、他のモデルの追随を許さないベストセラーモデルとしてラインナップに君臨しているのです。ひとえに、このヘリテイジこそがハーレーダビッドソンを象徴する存在であることの証でしょう。
FLSTNソフテイルデラックス、FLHRロードキングなど、往年のハーレーのスタイルを宿すモデルは他にもありますが、このヘリテイジに備わるディテールに目をやると、このモデルに託したカンパニーの想いが伝わってくるよう。大都会ではなく、豊かな自然が広がる世界にこそ似合うモデルと言えます。
そんなヘリテイジの乗り味や如何に? それでは試乗インプレッションへと進みましょう。
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