低価格原付2種の先駆け ディオ110
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初代ディオ110は2011年7月にリーズナブルな価格設定を売りにして、販売が開始されました。当時試乗した経験があるのですが、正直に言えば動力性能はお世辞にも良いとは言えませんでした。
とはいえ、街中を走るには充分に車の流れにのって走行することが可能で燃費性能も優れていた事から一定のユーザーに受け入れられてきました。そのディオ110がエンジンの設計から見直してモデルチェンジしました。
エンジンは変わらず108cc空冷エンジンですが、PCXなどホンダの原付2種クラスのハイエンドモデルに採用されているeSPエンジンの技術を採用。eSPとは低燃費技術や先進技術を採用し、環境性能と動力性能を高めたホンダのスクーターエンジンの総称の事を言います。
日本では初めにPCX採用され、その後、原付2種クラスではリード125やSh modeに採用。50ccではタクトやDunkに採用されてきました。しかしいずれの車種もエンジンを水で冷やす水冷エンジンの車種であり、エンジンを空気で冷やす空冷エンジンにeSPの技術を採用したのはディオ110が初めてとなります。
ロッカーアーム形状、クランクシャフトのオフセットシリンダー、スパイニースリーブの採用、冷却ファンの小型化、低フリクションベアリングの採用など、エネルギーを効率よく使う為にエンジン内部のパーツは大幅に変更されました。
以前は走りには精彩が感じられなかったディオ110。先日インプレッションをお届けしたスズキのアドレス110のライバルにはなりえるのか?今回も一週間きっりと都内の通勤に使用してインプレッションをお届けします。
ディオ110の燃費性能は素晴らしいがユーティリティー性能は微妙か?
今回一週間試乗した中で燃費を計測してみたところ、ストップ&ゴーの多い都内の通勤で45km/Lでした。タンク容量は5.2Lなので満タンにすれば234km走る事が出来る計算になります。原付2種クラスでトップクラスの燃費性能を公表しているだけあり素晴らしい燃費性能です。
しかしちょっと残念なのがユーティリティー面です。今回のモデルチェンジでステップが若干広くなりましたが、やはりそれでも狭く感じてしまいます。シート下スペースは18Lですのでフルフェイスのヘルメットは入りません。
リアには大型のアルミリアキャリアが装備されていますが、オプションのリアキャリアベースを装着する為の穴が四箇所空いているのみなので汎用のリアボックスベースは装着できるかどうか微妙です。シート下スペースが狭いのでリアボックスなど収納を増やすパーツが簡単に装着できるようにしてほしかったところです。
また低燃費にする為に装備されたアイドリングストップ機能ですが、資料を見る限りでは電圧が低下した際にアイドリングストップしない機能が搭載されていません。バイクは停車時ブレーキレバーを握っているのでストップランプが常に光っています。
信号待ち程度ならいいですが、踏み切り待ちなどではバッテリーがあがってしまう危険性があります。現行のPCXにはバッテリーの電圧が低下した際にはアイドリングストップしない機能がついていますが、モデルチェンジ前のPCXに試乗中に踏み切り待ちでバッテリーがあがってしまった経験があります。
現行のPCXやリードはテールランプが消費電力の少ないLEDですし、電圧低下時にはアイドリングストップしないので安心ですが、ディオ110に関しては注意が必要です。
先代ディオ110と比べて便利になった点はシートのオープンがメインキーの横に装備されました。先代ディオ110はメインキーを抜いてシート下のオープナーの鍵穴に挿さなければならなかったため手間がかかりましたが、新型ディオ110はメインキーを挿したままで操作が可能になりました。