亀山早苗の恋愛コラム/亀山早苗の恋愛情報

恋することにタブーはないのか?

最近、保育園や子どもの習い事を通して知り合う「不倫関係」を、よく耳にするようになってきた。子どもがらみで恋愛に発展することを避けてきた人たちは多かったはずなのだが、もはやその「タブー」もなくなっているようだ。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

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育児の悩みに、夫より親身になってくれるのはイクメンの彼だった。

育児の悩みに、夫より親身になってくれるのはイクメンの彼だった……。

このところ、「保育園で知り合った男性と恋に落ちた」「子どもの習い事を通じて顔見知りになった女性とつきあっている」などという話をよく聞く。

不倫もさまざまに形を変えてきた。既婚男性と独身女性が圧倒的に多かった時代から、ともに既婚のいわゆる「ダブル不倫」が主流になった。知り合う場所も、職場からSNSや同窓会などへ変化し、一時期は「ご近所不倫」もよく耳にした。同じ町内、同じマンションなどと聞くと、あまりに危機意識が低いのではないかと危惧したものである。

そして今度は、「子どもを介した関係」である。これは、今までは避けられてきた関係だ。子どもをダシにすることを、男女ともに違和感を覚えていたからだろう。子どもがからむと、親近感は増しても恋愛感情は育ちにくくもあったはずだ。だが、人々はあっけなく、その壁も越えた。恋愛にタブーはないのである。

夫より「彼」に子育ての相談

なぜ、こういった関係が増えてきたのか。ひとつには、夫婦関係の希薄さがあるのかもしれない。夫は働き盛りで、とにかく多忙。子どものことで相談したくても、女性たちも働いていることが多く、夫と顔を合わせてゆっくり話をする時間がない。夫側が、「めんどうなこと」を避けているせいもあり、「夫には何を話しても無駄」と妻側があきらめている現状もある。

その点、毎日のように保育園で顔を合わせる、イクメンの「彼」なら、気軽に話ができる。
「毎朝のように顔を見るパパがいたんです。最初は挨拶程度だったけど、だんだん話をするようになって。『うちの子、最近、何でもイヤだイヤだって言うんですよ』と愚痴ったら、『うちも同じ。でもそれは成長の証だから。やりとりを楽しめばいいんですよ』とにっこり。夫だったらこんなことは言わないわ、とキュンとしちゃった」

ヒトミさん(仮名=38歳)は、そう言った。そこから彼への親近感が増した。そして3ヶ月ほど後、保育園で会うと、「僕、今日は休みなんですよ」と彼が意味ありげに言った。
「偶然なんですが、私もその日は代休だった。それで、じゃあランチでも、ということになって。何も考えずに、うちで食べませんかと誘ってしまったんです」
ゆっくり話してみると、お互い、結婚生活にはいろいろな不満があった。だがそれ以上に、好きな音楽、好きな食べ物、いろいろなことが一致していた。

「あなたのような人と結婚すればよかったわ、と思わず漏らしたら、彼が私を見た。そのとき、お互いに花火が散ったような気分になってしまったんですよね」
リビングのソファで、貪るように求め合った。

彼女にとって、子どもは宝物。彼も同じだ。お互いに、「子どもをもったことで、無条件に愛することを知ったから、深い恋愛ができる」とのこと。ん? これは夫との間で交わされるべき会話ではないのだろうか。
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