高校生と地元特産品のコラボ企画 「シモンパン」
会場内で学生らしき若者たちが売っていたのが 「シモンパン」という見たことがないパンでした。普通のパンとどう違うのかきいてみたところ、ブラジル原産の素材を使っていて、大泉でしか食べられない珍しいパンなんだそうです。そのブラジル原産の食材というのが 「シモン芋」 と呼ばれる白いサツマイモでした。アマゾン川上流が原産地で、栄養価も高く、天然ミネラルやビタミンA・E・Kなどが豊富に含まれているそうです。血液を浄化する作用や、腸の中の老廃物を除去する効果があり、現地では約2000年前から民間薬として使われてきたとか。
日本には1972年に沖ノ島の診療所に持ち込まれたのが始まりで、ブラジルと深いつながりのある大泉町でも、町内で栽培されたシモン芋を使った関連商品の開発を始めました。今までに 「シモン芋焼酎」 や、 「しもん茶」 などが製品化されており、大泉町観光協会で購入することができます。
大泉高校では、育てたシモン芋の苗を地元農家に提供しているほか、加工品の研究なども行っているそうです。シモンバーガーに使われていたパンも、粉砕したしもん茶の茶葉をパン生地に練り込んであるオリジナルで、地元産のキャベツやハムなどを挟み、特製のソースをかけたもので、まさに地産地消の大泉でしか食べられないオリジナルグルメです。
パンは玄米パンのような食感で、スパイシーな特製ソースが野菜やハムと良く合っていて、とても美味しかったです。ブラジルとのつながりを地域の産業に結びつけ、さらに新たな商品を生み出すなど、ブラジル文化での町おこしに高校生たちも一役買っているんですね。
サンバのリズムで一気にヒートアップ
イベント会場では食べるだけではなく、見て楽しめるステージイベントも行われています。地元の音楽愛好家にはじまり、ご当地アイドルのステージが行われるなかで、きらびやかな衣装をつけて軽快に踊るサンバステージは見所のひとつです。途中でダンサーのみなさんがステージから会場へ降りてきてくれるので、間近で本格的なダンスを見ることもできます。一緒に踊ることもできるので、楽しいドキドキ感を満喫できました。
<DATA>
活きな世界のグルメ横丁
会場 : 群馬県大泉町 いずみ緑道・花の広場 (東武伊勢崎線・西小泉駅南側)
開催時間 : 11時~18時
交通アクセス :東武伊勢崎線 「西小泉駅」下車、徒歩約5分
問い合せ先 : 大泉町観光協会 / 0276-61-2038
今後の開催予定日(2015年) : 6/28 , 8/23 , 9/27 , 10/25 , 11/22 , 3/27 (2016年)
大泉町では、この「活きな世界のグルメ横丁」以外にも、一年を通じて様々なイベントが行われています。7月の大泉まつり、9月の大泉カルナバルでは、一般の観光客も自由に参加できるプログラムもあるそうなので、イベントに合わせて “日本のブラジルタウン” を楽しんでみるのもおススメです。
大泉町では、いたるところに日・伯両国の国旗が並んで掲げられている様子を目にします。 “共生” という言葉が、長年この町のテーマになってきましたが、そんな大泉町を舞台にした映画 「サンゴーヨン★サッカー (藤橋誠監督作品 / 2015年公開) 」が、2015年2月に公開されました。サッカーを通じて日本人と日系ブラジル人の交流を描いた作品です。公開終了後も定期的にイベントなどで上映会も行われていますので、映画からも町の魅力を発見してみてください。