丸っこい形の革バッグであることの意味
旅行カバンとブリーフケースの一番の違いは、マチ幅だと思います。要するに、旅の荷物は書類やビジネスツールのように平たくはないということです。しかし、ただマチ幅が広いだけでは、ただの持ちにくいカバンです。ボストンバッグを見ていると、そのあたりのバランスを長い時間をかけて様々な人が考えてきたのだなあと思うことがあります。着替えのような不定形だけれど、どうしても体積をとってしまうもの、土産物のような箱物、カメラも旅行となるとそれなりのものを持っていきたくなるし、水筒や傘、などなどと考えていると、ボストンバッグのあの丸っこいフォルムが最適のように思えるのです。持ち歩くなら角張っていては歩きにくいし、肩から下げた時、身体に沿うような柔らかさが欲しいし、丈夫さも、大人っぽさも、となると、やはり素材は革でしょう。
持っていることが気持ちいいボストンバッグ「TRUNK06」
トライオンの「TRUNK06」は、世界的に有名な馬革の老舗Horween社の馬革を使った「TRUNK」シリーズの中の、横長のボストンバッグです。このところ、ガイド納富が、旅だけではなく、ちょっとかさばる荷物が多い外出時にも使っているバッグなのですが、これが、何とも、持ち味が良いという言葉は変ですが、大量の荷物がコンパクトに収まって、体に当たる感じがしっとりと馴染んで、カバンと一緒に出掛けている、という実感が持てるのです。馬革の柔らかくてしなやかな感触と、その感触と丈夫さにも関わらず思った以上に軽いのも、その「持ち味」に繋がっているように思います。「持ち心地」ではなく、「持ち味」なのです。ボストンバッグには多く馬革が使われています。やや横長で、把手が長く、馬革で、柔らかくて軽い、というのが、ボストンバッグの一つの完成形なのでしょう。元々野球用のグラブを作っているトライオンでは、高級グラブのライニングにHorween社の馬革を使っているそうですが、それだけに革の扱いに手慣れているのでしょう。この「TRUNK06」の触り心地の良さは、その経験と技術に裏打ちされたもの。奇を衒わない、ボストンバッグらしいデザインなのも、革が良いと、かえって映えますね。
二泊三日程度の旅行ならキャリーバッグよりもオススメ
幅40cm×高さ28cm×マチ17cmというサイズは、二泊三日程度の荷物に対応するもの。内装はポケット類も一切ない、潔いばかりの1コンパートメント。これが使いやすいのです。荷物が引っ掛かる場所がどこにもないので、大きな荷物の出し入れがとてもスムーズ。小物類は、外側に用意された豊富なポケットに分類して収納すればオッケーです。このスタイルも旅行カバンとしての正道。着替えなどが入ったメインコンパートメントは、歩きながら開けたりしたくない部分。旅の途中で出し入れする荷物は外のポケットに収納というのは、とても理に適っているのです。そのポケットは、片側に上下二つ、もう片側に一つ、どちらも横幅いっぱいに開くファスナーポケットになっています。さらに、左右のマチにもマチ幅いっぱいのファスナーポケットを装備。これだけあれば、大体の小物類を区分けして収納できます。例えば、ガイド納富の場合、二列ある側のポケットの下に折畳み傘、上のポケットには名刺入れやデジカメなどの小物類を入れています。これは、ポケットに高さが無いこと、下に入れた傘(や水筒)の上に乗る形で、小物が下に入り込みにくいことなどの理由です。
もう片方のポケットはA5サイズのノートやiPad miniが入るサイズなので、オーガナイザー的な使い方が出来ます。ガイド納富の場合、筆記具、メモ帳などもここに入れます。文庫本もここですね。マチ部分にあるポケットは、それほど大きくないので、手ぬぐいやちょっとした食べ物(チョコやミントなど)、イヤフォンやモバイルバッテリーなどもここに入れています。そして、それ以外のものは、まとめてメインコンパートメントに放り込みます。ファイルフォルダなどのA4サイズのものは、メインコンパートメントに入れて、仕切り代わりに使うのも良いでしょう。
ガイド納富の「こだわりチェック」
この「TRUNK06」は、ボストンバッグとしては小振りの部類に入ると思うのですが、あまり大きなカバンだと、容量は多くても、それを持ち歩いて旅をするには厳しいし、その量だとキャリーバッグの方が合理的でしょう。また、旅慣れた人は三泊以上は着替えを旅先で洗濯するため、結局荷物は増えないとも言います。旅の相棒としてのカバンのサイズとしては、このくらいが丁度良いとガイド納富は思っています。ハンドルが長めで、腕を通しやすいのも、歩きながら利用することを考えた仕様。常に傍らにあって一緒に旅するカバンとして、とても良いバランスのカバンだと思います。撮影のために、このカバンに二泊三日の旅行ができる荷物を詰めていたのですが、もう、そのまま旅に出てしまおうかと思ってしまうくらい、気軽な感じで持ち歩けてしまうのが、キャリーバッグと違う旅行カバンならではの魅力。ショルダーストラップで肩から下げても良いのですが、ハンドルを手で持って、フラッと出掛ける感じが、ボストンバッグの醍醐味です。実際に、手に持ってみると、その大きさやイメージの割りに、本当に軽いことにも気が付くはずです。ひょいと持って、すーっといつの間にか旅に出ている、そういう使い方が似合うカバンです。
<関連リンク>
・トライオンの「TRUNK06」のご購入は公式サイトのオンラインショップで。
・トライオンの「TRUNK01R」を紹介したガイド記事はこちら
・トライオンの「TRUNK05」を紹介したガイド記事はこちら
・トライオンのブリーフケース「A125」の紹介記事はこちら