現代のストリートにベトスマッチなモデル
ストリート仕様と言っても、やはり800ccを超える排気量のモデルです、ハイウェイでも高速巡航レベルの高さを発揮。ロングストレートが続く東名高速や名神高速だと、リッターモデルほどの高速域での伸びはありませんが、6速ミッションの恩恵もあってか、過不足ない安定感と伸びを味わわせてくれます。
特に首都高や大阪環状線のようなカーブの多い都心部の高速道路だと、腰下がスポーツバイクそのものであるスクランブラーの能力が一気に開花、ライディングポジションの良さで安定感を保ちつつ、クイックかつスピーディな走りで危なげなく駆け抜けていけます。ゆるそうなポジションながらライディングはかなりアクティブと、そのギャップが楽しいモデルです。
砂利道やちょっとした未舗装路でも安定感は変わりません。とても排気量800cc超えのモデルとは思えないほど軽やかです。しなやかで高剛性の足まわりに車体の軽さ、ニュートラルなポジションが生み出すバランスの良さは、場所を選ばないということでしょうか。ついアクセルを開けて思っていた以上の加速が出たとしても、転がしていく感じでダートでもくるくる遊べちゃいます。オートバイとしての能力が高いからこそのバリエーションの豊富さと言えますね。
知っておきたいスクランブラーの隠れポイント
なんと、シートを外すとそこにはUSBポートが! クラシカルな雰囲気のオートバイながら、現代社会への対応も考慮しているとは恐れ入りました。これで携帯電話の充電切れも怖くない?
ロングテストの際、給油ランプが点灯したのですが、するとメーターの右上に「FUEL」の文字と「0.1」という数字が表示され、そこから走るごとに0.1ずつ加算されていったのです。これ、リザーブタンクに移行してからの距離をキロ単位で表示するというカウントダウンシステムで、今までのオートバイには見られなかった機能。ただ、最大何キロまで走れるかは分からないので、走っているとカウントダウンそのものがちょっと怖かったです(ちなみに私は9.8まで引っ張れました)。正式な限界値のお知らせがあれば、追ってご報告します。
ヘッドライトにはLED製リングライトが、そして後ろにはLED製テールライトという最新技術が用いられています。クルマだとアウディなどに搭載されている技術で、アウディグループに属するドゥカティだからこその技術なのでしょう。写真では分かりづらいかもしれませんが、実物の明るさと鮮やかさは、見る人誰もが「え?何これ?」と驚くほど。これだけでもスクランブラーを見に行く価値はありますね。
それでは最後に総括、そしてスペック紹介を。
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