ヨーロッパ

思わぬ落とし穴!?ヨーロッパの入国スタンプにご用心(2ページ目)

近年、ヨーロッパへ旅行に行った際、最初の入国でもスタンプを押されないということが結構聞かれるようになりました。経済的にはもとより、政治的にもEUが一体感を増す中で出入国手続きは着実に簡略化されていますが、我々EU域外の旅行者にとってはトラブルに発展することも……。これら諸問題の目下の傾向と対策について考えてみます。

中原 健一郎

執筆者:中原 健一郎

海外旅行ガイド

 シェンゲン加盟国の滞在期限は90日なのに……

日本人の観光の場合、ビザなしでの滞在は90日までのはずが……

日本人の観光の場合、ビザなしでの滞在は90日までのはずが……

日本国パスポートといえども、シェンゲン加盟国での滞在期間は90日までと決められています。しかも、この滞在日数のルールは2013年に改定され、より厳しくなっています。

2013年のシェンゲン協定の改定について、詳しくはこちら

当たり前ですが、入国スタンプがなければいつ入国したのかもわかりません。滞在条件を厳格化する一方で、入国審査は場合によってはフリーパス同然というのは政策として明らかに矛盾しています。我々旅行者にしてみれば、こんな分かりづらいことはないでしょう。

特に、イギリスと東欧に注意

前述のように、イギリスとアイルランドはシェンゲン協定に加盟していません。また、東欧にも加盟していない国がいくつかあります。このあたりの国が絡むと、話がさらに複雑になります。

イギリスは世界で最も入国審査が厳しい国の一つ

イギリスは世界で最も入国審査が厳しい国の一つ

イギリスは逆に入国審査が厳しいことで知られ、少しでも入国目的に疑義があれば何時間でも徹底的に追求し、入国拒否も辞さないことで有名です。フランスやベルギーから陸路(鉄道)や海路でイギリスに入る場合、もしシェンゲン入国のスタンプがなかったら、イギリスの入国審査官はどう思うでしょうか。まさに疑義を提供しているようなものかもしれません。

一方イギリスの人為的出国審査は1998年から廃止されていました(※1)。つまり、パスポート上にイギリスの出国日は記載されませんから、例えばフランスへ行ってからイギリスに再入国する場合などに、滞在記録にどうしてもあいまいな点が発生します。

これだけが理由ではないと思いますが、このようなケース(決して特殊なケースではないのですが)で再入国拒否という事案が発生しています。これに対して、「確実な対策はない(外務省)」そうです。

(※1)2015年4月8日からイギリスの出国審査が復活しました。今後は出国スタンプと共に出国日の記録が残ると期待します。

英国政府内務省HPの出国審査の再開に関する発表はこちら(英語)

その他のケース、東欧の場合

私がクロアチアからボスニア・ヘルツェゴビナへ陸路で移動した際の話ですが、(クロアチアはEU加盟国ですがシェンゲン協定には未加盟です。ボスニア・ヘルツェゴビナは両方とも未加盟)なんとボスニア・ヘルツェゴビナの入国スタンプが押されませんでした!

同じバスに乗っていたタイ人のパスポートにはしっかり押されていましたが、ドイツ人のパスポートには押されていませんでした。ということはやはり日本人はEU国民に準ずる扱いをうけてしまったということになります。

この顛末がどう出たでしょうか?

不法入国の疑いがあれば、出国審査で別室送りになることも……

不法入国の疑いがあれば、出国審査で別室送りになることも……

案の定、出国の際に少々トラブルとなりました。外国人なのに、いつどこで入国したのか分からないのですから当然といえば当然です。事情を丁寧に説明して事なきを得ましたが、言葉一つ間違えば別室に連れて行かれて「お取調べ」を受けていた可能性を否定できません(そして、飛行機も乗り過ごすことになったでしょう)。

これも結局は現場の不徹底や曖昧さが旅行者へのしわ寄せとなって現れてしまった好例と言えます。

結論として、とにかく現在のヨーロッパ出入国手続においては、ルールも流動的で対応も一律ではないということを念頭において、万一のトラブルに備えて出来る限りの自衛策を施しておくしかないということになります!

次は自分でできる自衛策について

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