ランドローバー/ランドローバー

レンジローバー・スポーツSVRは「無敵のSUV」(2ページ目)

ジャガー&ランドローバーの特別車両部門が手がけた“究極のパフォーマンスSUV”がレンジローバー・スポーツSVR。伝統のオフロード走破性を損なうことなくオンロード性能を極めた、というその走りとは?

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

驚きの「サーキットが楽しいレンジローバー」

レンジローバー・スポーツSVR

ランドローバー初の2ステージ・アクティブ・エグゾースト・システムを搭載。電子制御式バルブによりピュアなエンジン音を演出、静音モードも選べる


スタート地点はサーキットのピットだった。ピットでインストラクターを隣に乗せ、サーキットをいったん出て、オフロードコースへ向かう。ランドローバー&レンジローバーといえば、世界随一の走破性を誇るクルマでもある。

だから、オフロードコースに向かうのは、この手の試乗会の場合、毎度のことだから珍しくない。ただ、いつもと違っているのは、乗っているクルマが、バケットタイプのスポーツシートを前後にしつらえ、21インチのオールテレインタイヤを履き、獰猛な顔つきをしたレンジローバー・スポーツの高性能版であるというだけ。

レンジローバー・スポーツSVR

走行状況に合わせて駆動系などを最適化するオールテレイン・レスポンス2・システムを装着。オートモードに加え一般道、ダイナミック、草地/砂利/雪、泥地/わだち、砂地、岩場走行の6種類が選択可能


インストラクターの指示どおり、いったん停止ののち、ローレンジに。慎重に、ぬかるんだ道、がれきの道など、道無き道を想定したオフロードコースをゆっくりと、けれども確実に進んでいく。林を抜けると、そこに鉄製のスロープが用意されていた。ゆっくりと登って、停止。すると、スタッフが高圧洗車ガンをもって現れた。あっという間に下回りの洗浄完了。

レンジローバー・スポーツSVR

シャシーにはチューニング、エアサスペンションと連続可変磁性流体ダンパー付きアダプティブ・ダイナミクスを採用。ボディの姿勢を制御する2チャンネル・アクティブロール・コントロールも備える


そうしておいて、なんとそのままサーキットコースへと進入するようインストラクターがのたまった。そして、一周のコース下見を終え、いきなり全開走行を試す!

ジャガー譲りの550psエンジン。パフォーマンスは圧巻のひと言だ。すさまじいエグゾーストノートを響かせる。シャシーは的確に舗装路を捉えて、スポーツカーのようなハンドリングをみせる。標準のオールテレインでもタイヤを滑らせつつ、正確な電子制御で、見事なライン取りをみせる。オプションの22インチ高性能タイヤなら、もっとガンガン攻め込めただろう。サーキットが楽しいレンジローバーなんて想像すらできなかったから、驚きも数倍だ。

しかも一般道でのマナーは、まるでレンジローバー。乗り心地もすこぶるいい。より足元が引き締まっているぶん、ノーマルより、ひょっとしていいんじゃないか、と思ったほど。

街乗りからスポーツ走行、そしてオフロードまで。無敵の1台だ。

レンジローバー・スポーツSVR

台形の大型エアインテークをもつフロントバンパーや新型グリルを装着。厚みを増したフロントバンパーのロアーセクションは、オフロード走行時に取り外し可能に

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