株・株式投資/日経平均株価の動向を専門家がチェック

27年ぶりの11連騰!日経平均はどこまで騰がる?

日経平均は1988年2月以来27年ぶりとなる11連騰を達成。東証一部の時価総額もバブル期を越えており、5月の月間上昇幅は+1,043円と、記録的な上昇に。今後もこの上昇が続くかどうかを検証してみたいと思います。

戸松 信博

執筆者:戸松 信博

外国株・中国株ガイド

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「セル・イン・メイ」も、世界的に上昇相場継続!

「セル・イン・メイ」も、世界的に上昇相場継続!

「セル・イン・メイ」も、世界的に上昇相場継続!

「セル・イン・メイ」で下落が懸念された世界の株式市場ですが、全体的に上昇基調を維持しており、ほぼ2015年の高値圏で5月を終えました。ちなみに「セル・イン・メイ」とは「5月に株が下がる」という意味ではありません。歴史的に見て、5月の騰落率はそれほど突出して悪くないのです。真の意味は、5~10月までの半年間のパフォーマンスが、(1928年以来の株価推移を見る限り)11~4月の6ヶ月間よりも圧倒的に悪いという事です。

殆どの市場関係者もこの辺を誤解しています。また5月に見られるファンド解約によってセル・イン・メイが起きるとも言われますが、それも事実でなく、ファンドなど存在しなかった70年代以前より長年続いて来た現象でもあります。1928年10月からダウは70倍高となりましたが、この累計上昇幅の殆ど全てが11~4月の間に達成されているのです。1928年10月以降、11月~4月の期間だけ投資をしたとすると、56倍になり、一方5~10月のみの投資だと87年も経過していながら、通算で僅か1.26倍にしかなりません(56倍に1.26倍を掛けると通算70倍となります)。

5月が大幅高に終わったことで、ニュース等ではセル・イン・メイはなかったという論調になるかと思いますが、真の意味はそういう事で無いため、引き続き秋まで用心して見ていきたいところです。目先で言えば、ギリシャ問題が支払期限を迎え、また6月末には支援の合意期限もあります。

短期的バブルに突入か?6月第1週の動向が大きなポイントに

2015年5月の日経平均の月間上昇幅は+1,043円と、記録的な上昇となり、5月末に日経平均は1988年2月以来27年ぶりとなる11連騰を達成しました。東証一部の時価総額もバブル期を越えてきました。

これで長期的にはバブル化の可能性が高くなってきたように思います。1988年2月の13連騰時も、そこから後、2年近くもさらなる上昇が待っているとは想像できなかったことでしょう。当時、13連騰後でまだ2万5千円でした。そして1989年末に3万8,916円の最高値をつけました。実は今の株価でも、年初からの上昇ペースが今後続けば、2015年末に3万9千円を超えます。不可能と思われた日経平均の過去最高値更新も、現実味が徐々に出てきたように思います。あとはこの数字が、皆に意識されて行くかどうかだと思います。株価は経済や企業業績がどうであれ、皆が上がると思えば本当にそこに行くものです。

ただし、足もとはさすがに過熱感を感じるところです。信用評価損益率の差は12%を超え、ここは気になるところです。この数字は10%を少し超えたところが常に天井となっていましたが、後にも先にも唯一、2012年末にここを大きく抜けて行きました。アベノミクス初動のバブル時です。そして一度も10%以下に下がることなく、2013年4月の30%超まで騰がり続け、5月23日の日経▼1,143円安で、その短期バブルは弾けたのでした。
信用評価損益率の差は12%を超え、さすがに過熱感を感じるところだが・・・

信用評価損益率の差は12%を超え、さすがに過熱感を感じるところだが・・・

今回どうなるのかですが、6月第1週がそのポイントです。通常であれば反落し、冷却されて行くところです。過去何度かあった9連騰の後は、反動で大きく下がって行ったものです。しかし、滅多に起こらないことですが、2013年前半の再来相場となれば、後の急落を伴う短期バブル化に進んでいることになります。

参考:日本株通信

※記載されている情報は、正確かつ信頼しうると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性または完全性を保証したものではありません。予告無く変更される場合があります。また、資産運用、投資はリスクを伴います。投資に関する最終判断は、御自身の責任でお願い申し上げます。
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