数寄屋造りの建物に情緒あり
現在の千代田区麹町、半蔵門からの甲州街道沿いにあり、古くは旗本屋敷や商家などでが置かれ日本橋と並んでの繁華街だったようだ。1878年(明治11年)から戦後1947年(昭和22年)まで麹町区であったが、神田区と合併し現在の千代田区となった。今回は麹町の老舗「うなぎ秋本」を訪ねる、創業百年余というから明治末期あたりの創業だ。最寄駅の東京メトロ有楽町線の麹町駅から徒歩で1分ほど、数寄屋造りの建物でなかなか情緒がある。夏の昼時、店内は満席。着物を着た中居さんに店舗右側の個室座敷横の通路の椅子で待つように案内される。その時、お品書きを持ってきてくれるので待ち時間に何にしようかとゆっくり検討することができる。ご飯と蒲焼が別々のうな重
この日は待ち時間10分ほどで席に案内された。店内一階はテーブル6卓ほど、薄グリーンと竹を生かした内装でモダン和風の粋を感じる。一階奥には中庭の見えるお座敷個室と二階にも宴会や接待にも利用できるような20名まで対応のお座敷席がある。混雑時は相席となることもあるとのこと。お品書きは、うな丼2400円より。うな重は松2400円、竹2900円、梅3600円、鶴4100円。グレードで鰻の質と大きさが違うとのこと。肝吸いは別で、赤だしか肝吸いを選択できる。大井川の幻のブランド鰻「共水うなぎ」は4800円となる。コース料理は、花コース9800円から、季節料理を交えたコースや、うなぎ料理の品数や質に、ご予算によって選択することができる。一品料理として、う巻、肝焼き、刺身の盛り合わせなどもある。今回は、うな重梅3600円と赤だしをお願いした。とろける甘口のうな重が楽しめる
待つこと15分、丸型重箱が二段で登場する。上段に蒲焼、下段に白いご飯と別々になっている。一般的には丼に入ったものをうな丼、重箱に入っているものをうな重と呼んでいるが、本来二段以上の箱を重ねて重箱なので、蒲焼とご飯を分けて二段にするのは、正式なうなぎ重箱のスタイルとなる。皮は薄くトロッとした食感、やや厚めの身は、口に入れるとトロけてしまう、ふんわりトロトロッととろけるような身だ。タレは甘い、関東風の蒲焼というとキリッとあっさりした辛めのタレが多いが、ちょっと珍しい甘口のタレだ。タレの好みが分かれるところだろうが、トロトロの甘口蒲焼も一度食べてみるとよいかもしれない。ご飯と蒲焼が一緒になっているのがお好みなら、うな丼を選択するとよいだろう。人気店なので予約をしたほうがよい、ただ予約の場合、昼夜ともにお座敷でのコース料理となる。■秋本
住所:東京都千代田区麹町3-4-4
営業時間:11:30~14:30(L.O.14:00)17:00~20:30(L.O.20:00)
定休日:日・祝・第2土曜日
ホームページ:http://www.unagi-akimoto.com/
地図:Yahoo!地図情報