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ぐんまパワースポットめぐり 【妙義山編】(3ページ目)

“上毛三山(じょうもうさんざん)” と呼ばれ、群馬を代表する明峰として親しまれている三つの山。荘厳な神社や自然に囲まれた湖などを中心に、最近はパワースポットとしても注目されています。今回紹介する妙義山は、木々の緑やゴツゴツした岩山に囲まれた姿が特徴です。神秘的な雰囲気の妙義神社のほか、周辺の隠れた湧水スポット、旅の途中に立ち寄りたいお店などにも行ってきました。

坂本 めぐみ

執筆者:坂本 めぐみ

群馬ガイド


妙義山周辺の名水ポイント

妙義湖からも近く、子供たちにも人気の観光スポット「碓氷峠鉄道文化むら」もある横川地区には、いくつかの名水ポイントがあります。なかでも秘境感いっぱいの “知られざる名水ポイント” を、2か所ご紹介しましょう。

薬師の湧水

川久保薬師堂の先にある湧水の水場


鉄道文化村を過ぎて旧碓氷バイパス(中山道)方面に進み、川久保橋をわたりきったところに「薬師坂」と彫られた石碑があります。その脇の細い道を100メートルほど入っていくと見えてくるのが「川久保薬師の湧水」です。

春の時期は水量は少ないものの、祠の下から湧き出る水は何だかとてもご利益がありそうです。近くには薬師如来を祀った小さな薬師堂があり、碓氷峠を往来する旅人の無事通過の願いを込めて建てられたそうです。

旧中山道沿いにあるこの湧水は、はるか昔から旅人のノドの渇きを潤してきた水のようです。また、近所に住む人の話では、「この水を家の周りにまくと縁起が良い、開運につながる」と、最近評判のようで、わざわざ汲みに来る人もいるということでした。

子育て地蔵尊

湧水の場所はお堂が目印

もうひとつは「子育地蔵尊の水」です。JR横川駅の駅前を旧中山道沿いに軽井沢方面に進むと、矢野沢橋が見えてきます。橋をわたってすぐ右に入る狭い道があり、そこを直進すると小さなお堂に突きあたります。(軽自動車の大きさなら車でお堂の近くまで入っていくのも可能です)

このお堂の右奥に見えるのが湧水の水場です。地蔵菩薩は人間界に石像の姿で現れ、人々を救ってくれると信じられてきましたが、とりわけ子どもたちの守り神として各地で信仰されています。ここの子育て地蔵も子供を思う地元の人々によって大切に祀られてきました。

お堂の中をのぞくと、2体のお地蔵さんが安置されていました。しかもそのうち1体は首がないのです。これは、明治43年の大洪水でお堂が流されたあと、地元の人たちが新たに地蔵堂を建て、同じようにお地蔵様を祀ったところ、下流から土砂で流された首のないお地蔵様の像が見つかったため、2体並べて安置することになったそうです。

水場

森の中でこんこんと湧き出ている名水


実際に湧水を飲んでみたところ、冷たくてスッキリした味でした。横川周辺はわさび漬けが特産品で、有名な駅弁「峠の釜めし」にも、お漬物と一緒にわさび漬けが付いてきますが、これも水が良い証拠です。水場の近くには沢があり、自生している沢わさびの葉が多く見られました。

今年話題の羊神社へ寄り道

妙義神社からの帰り道、今年にわかに話題となった神社に寄ってみました。それが安中市にある「羊神社」です。妙義神社から車で20分ほどのところにある小さな神社ですが、資料によれば330年以上前の延宝年間に創建された歴史あるお宮でした。

羊神社

鎮守の森の中に、ひっそりと建つ羊神社


ご祭神は多胡羊太夫藤原宗勝公(たごひつじだゆうふじわらのむねかつこう)で、秩父で和銅を発見した功績から多胡郡(現在の高崎市吉井町周辺)を治めるようになり、その記念に日本三古碑のひとつとしても知られる「多胡碑」を建てたと言われているそうです。

その羊太夫がご祭神ということから、羊が神社のシンボルになっているのですね。この神社がある一帯も地元では多胡新田(たごしんでん)と呼ばれていて、多胡という名字が多く、昔から多胡一族が治めてきた名残りがうかがえます。

羊の石像

普段は無人ですが、お社には神社を案内するチラシなども置かれていました


鳥居のところには狛犬もいますが、今年が未年(ひつじどし)であることから、新たに一対の羊の石像が社殿入り口に設置されたようです。狛犬同様、左側の羊は口を閉じ、右側はちゃんと口を開けていました。参拝客をかわいらしく迎えてくれる石像に何だかとっても癒されました。

<DATA>
羊神社  
住所 : 群馬県群馬県安中市中野谷1751
電話 : 027-381-2726 (鷺宮・咲前神社)
備考 : 普段は無人で、3キロほど離れた咲前(さきさき)神社が管理しています
お守りや絵馬などはそちらで購入できるそうです


散策後の疲れはかけ流しの足湯で癒そう!


足湯

温泉街の中心にある無料の足湯


羊神社から車で10分ほどのところにある磯部(いそべ)温泉には、無料で利用できる足湯があります。「温泉に入る準備はしてきていないけど、足湯なら……」という感じで気軽に利用できる温泉スポットです。

お湯の温度はそれほど高くないですが、その分ゆっくり入れ、じわじわと体が温まってきます。15分も入っていれば足が軽くなり、足湯から出たあともしばらく足がポカポカしていました。新陳代謝が高まり、内臓の働きが活発になることから、胃腸の弱い人や便秘気味の人、冷え症や足のむくみのある人などに効果があるようです。散策したあと、旅の最後の締めくくりに立ち寄ってみてはどうでしょうか?

<DATA>
磯部温泉・足湯  
住所 : 群馬県群馬県安中市磯部1-131
(信越本線のJR磯部駅から徒歩5分ほど)
利用時間 : 午前9時から午後7時まで (2015年5月現在)

夕刻の妙義山

夕刻、水田地帯から見える妙義山


妙義山全体に山や森、湖から発せられる自然のパワーがあふれていました。また、山の家のレストランできいた話では、何度もこの地に足を運んでいるお客さんも多いということでした。景色にしても、食べ物にしても、季節ごとに違った変化が楽しめるのも、リピーターが多い妙義の魅力かもしれません。交通の便はあまり良くないため、車で来るのが一番便利ですが、近くにある富岡製糸場とセットで観光することもできるので、上信電鉄の上州富岡駅と妙義神社を結ぶ乗合タクシーを利用するのもおすすめです。

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