カフェ/京都のカフェ

京都・花街のカフェ、Hygge(ヒュッゲ)(2ページ目)

京都で最も古い花街に建つ築150年の町家が、風情あるカフェ「Hygge(ヒュッゲ)」に生まれ変わりました。お茶屋さんとして使われたこともある建物は、改装前は2階へ上がる階段が3つもあったといいます。これはお客どうしが鉢合わせしないための配慮。そんな建物の記憶を、紅茶とスイーツをいただきながらのんびり楽しみました。

川口 葉子

川口 葉子

カフェ ガイド

ライター、喫茶写真家。著書に『東京カフェ散歩 観光と日常』『京都カフェ散歩 喫茶都市をめぐる』(祥伝社)、『街角にパンとコーヒー』『東京の喫茶店 琥珀色のしずく77滴』(実業之日本社)他多数。雑誌、Web等でカフェやコーヒー特集の監修、記事執筆多数。Webサイト『東京カフェマニア』主宰。

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お茶屋として使われた時代もあった

天井や壁のあちこちに残された記憶

天井や壁のあちこちに残された記憶


この町家は、150年という長い歳月のなかで幾たびか増改築がおこなわれており、お茶屋として使われた時代もありました。2階へと上がる階段が3ヶ所も設けられていたのは、お客どうしが鉢合わせしないための配慮だったようです。カフェの壁には、その階段を外した痕跡が残されていました。

私が座ったテーブルのすぐ横の壁には、押入れ階段があったことを示す斜めの線がありました。かつて京町家では、省スペースのために押入れの中に急な階段を設けたのです。
奥の部屋はうつわと雑貨のギャラリー

奥の部屋はうつわと雑貨のギャラリー


1階の天井がそのまま2階の床板となる、独特の造りの「大和天井」。床の三和土は「大工さんに混じって自分でも叩いたので、意図しない凹凸ができてしまった」と店主の小林さんは笑います。

和のものも、洋のものも、小林さん夫妻が直感で選んだ家具や道具がさらりとセンス良く置かれており、心地よいくつろぎを生み出しています。過剰なこだわりは、時としてカフェを息苦しくさせてしまうものですが、この空間には肩の凝らない魅力がありました。

次ページでデンマークの歴史ある紅茶と、奥さまが手がけるスイーツをご紹介します。
手づくりのシンプルなドーナツも好評

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