各社の競争はさらに激しく
ASUSは以前からスマートフォンを提供していましたが、ZenFoneシリーズで本格的にスマートフォン市場に参入したように、世界でも日本と似たような状況におかれています。シェアは高くはありませんが、PCでの経験を生かして、各市場に最適な製品を提供していくようです。
今回発表されたZenFone 2も、海外で販売されているモデルを見ると、市場に合わせて構成を変更していることがわかります。1つのベースモデルで多数の市場に対応できるような、低コストな設計になっているようです。海外で提供している2万円台中頃のミドルレンジモデルから、日本での最上位モデルの5万円程度の製品を用意し、各市場での多くの需要に応えられるようになっています。
ソニーモバイルのZperia Z4
一方、ソニーモバイルは以前から世界の各市場で多数のスマートフォンを展開しています。日本で提供しているようなハイエンドモデルに加えて、海外ではローエンドやミドルレンジの製品も含めて、日本では見たことも無いような多数の機種を提供しています。
しかし、ハイエンドはもちろんですが、1万円台から販売されるローエンドや3万円程度のミドルレンジの製品は、競争が非常に激しい市場です。実際にこの市場で苦戦したソニーモバイルは、戦略転換しなければならない状態になっており、自社の得意なハイエンドモデルを中心とした製品展開に切り替え、製品数も絞っていくようです。
Xperia Z4は、その再編の第一歩となる製品です。ハイエンドモデルの場合、本体価格が高くなることから、日本で主流の長期契約による割賦販売のような形態での販売が中心となります。
当然ながら大手キャリアは他にも多数の機種を販売しており、その中で争っていくことになります。日本では一定のブランド価値があり人気機種になるでしょうが問題なのは海外です。海外では日本で始まりつつあるSIMフリーが当たり前の市場も多く、ブランドが日本ほど認められていない地域も少なくありません。日本ではハイエンドモデルが販売の中心と言うこともあり、善戦するでしょうが、海外の状況は全くの未知数と言っていいでしょう。
一方で、大手キャリア向けでの販売だけでは無く、SIMフリーが盛り上がりつつある日本にもXperia J1 Compactを投入し、従来とは異なる動きにも対応するようになっています。
日本で始まりつつあるSIMフリー市場で飛躍し、世界市場でも躍進しようとするASUS。すでに厳しい競争環境の中でもまれ、再編の第1弾となる製品を発表した段階のソニーモバイル。この2社の対照的な展開と日本市場の今後に注目です。