夜闇に幻想的に浮かぶ豪壮華麗な巨大灯籠に酔いしれる
希が高校最後の夏の思い出に参加した輪島大祭。毎年8月22日~25日の4日間に渡って盛大に行われるキリコ祭りで、輪島にある奥津比め神社大祭(※「奥津比め」の「め」の字は、口へんに羊)、重蔵神社大祭、住吉神社大祭、前輪島神社大祭の4つの神社のお祭りの総称です。キリコ祭りは能登半島に江戸時代から脈々と受け継がれている伝統のお祭りで、キリコとは切子燈籠(きりことうろう)の略。
神輿を照らす御神灯の役割を担い、最大で4階建てビルに相当する高さ15メートル超のキリコを担ぎ、威勢のいい掛け声を上げながら街を練り歩くさまは勇壮かつ迫力満点です。
7月~10月にかけて能登の200を超える地区で行われ、一口にキリコ祭りと言ってもキリコを担いだまま海の中へ入っていったり、最後に神輿が激しく壊されてしまったりと実にバラエティ豊か。
輪島キリコ会館には各地域それぞれ特色のあるキリコが30基以上展示されているので、見比べてみてください。実際にキリコ祭りを体感したいという人は輪島大祭がおすすめ。周辺に宿泊施設がたくさんあり、午後11時にまでにほぼすべての見所を見られます。
■輪島キリコ会館
住所:〒928-0008 輪島市マリンタウン6-1
TEL:0768-22-7100
営業時間:8:00~17:00
定休日:無休
観覧料金:大人620円 / 高校生470円 / 小中学生360円
職人技が光る、普遍的な美しさと強さを兼ね備えた漆器の最高峰
輪島と言えば真っ先に思い浮かぶほど有名な能登きっての伝統工芸品輪島塗。希の同級生、紺谷圭太も偉大な祖父の背中を見て輪島塗の職人を目指して頑張っていますよね。その起源については諸説あるものの、室町時代の根来塗技法が輪島古来の漆技と相俟って発展したという説が有力です。
輪島塗は切り倒してから3~5年以上も乾燥させた木材を使い、半年~1年という長い時間をかけ、124もの工程を経て1つ1つ丁寧に手作業で作られる最高級の実用漆器。
「まれ」では圭太の祖父、塗師屋の弥太郎の工房が完璧なまでに再現されていましたが、その雰囲気の一端に触れることができるのが輪島屋善仁 塗師の家です。
江戸から明治にかけて建てられた塗師の家を改修したもので、輪島の塗師文化が最も華やかだった当時の面影を垣間見ることができます。ただし、保存のため内部の一般公開はしていないので、見学希望の際は事前にHPからお問い合わせを。
■輪島屋善仁 塗師の家
住所:〒928-0001 輪島市河井町1-82-3
TEL:0768-22-5811
営業時間:9:00~16:00
定休日:水曜日、12月29日~1月3日
※写真提供:石川県観光連盟