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消極的“独身主義者”を生み出す、収入と結婚の関係(2ページ目)

男女および正規非正規の賃金格差は、なかなか改善されない。そんな中、アラフォー男女は、どんどん結婚から遠ざかっていく。どこか靄がかかったように、恋愛にも結婚にも積極的になれない男女は、これからどうなっていくのだろうか。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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独身女性たちの嘆き

一方で、独身アラフォー女性たちも、一時期ほど婚活には乗り気でなくなっている。
「婚活は疲れた」
そんな声もよく聞く。結婚したい、相手はどんな人でもいいと言いながら、やはり結婚が生活の術だと割り切ることはできないのだ。

家族

なんのために結婚する?

「35歳を過ぎてからずっと焦っていたんです。このままだと一生、ひとりで生きていくことになる。みんなができる結婚や出産を、なぜ私はできないんだろう、人間的に欠陥があるのではないかと悩んだ時期もあります」

41歳のB子さんは、40歳の声を聞いたとたん、急に前向きになった。

「ひとつは子どもを産むことをあきらめたから。そうしたら、結婚する意味なんてないと思えてきた。私もご多分に漏れず、給料は安いけど、とりあえず実家があるし、母親とふたり暮らしも気楽なのではないかと思えてきました」
7年以上、恋愛もしていないが、男女問わず友だちは多い。それでじゅうぶんではないかと彼女は言う。

「親を看取ったあと、誰が私を看取ってくれるのかとは思うけど、そこまで考えてもしかたがないですよね。結婚は、介護や看取りのためにするものではない。縁がなければ独身のままでもいいやという気分です」
母親の年金と彼女の収入で、なんとか暮らしていける。たまには外食もできるし、母と旅行することもある。

「今さら結婚して新しい環境で暮らしていくのもつらいし、母をひとりにするわけにもいかない。私の周りにも、同じような境遇の女性は多いですよ。最後は女同士、シェアハウスを作って暮らしてもいいよねと言い合ってます」

どういう状況にあっても、女性たちは前向きだ。いったん覚悟を決めると、もはや愚痴らず、今の状況の中で楽しみを見いだそうとする人が多い。男に頼って生きても、その男たちの経済状況がよくないのだから、だったら今のままで誰にも管理されずに自由でいたい。そんな思いを抱く女性もいる。

つい先日、以前に比べて年収が100万円近く下がったと嘆いている30代の独身サラリーマンと話をした。会社の業績が悪く、ボーナスが下がり続け、ついには基本給まで下がったのだとか。近い将来、結婚しようと買ったマンションのローンが今は重いそうだ。この状況では、やはり結婚はできないと彼は小声で言った。

政府は「女性が輝く社会」と声高に言っているが、そのためには、まず男女の賃金格差をなくすこと、女性が継続的に安定して働ける環境を作ることが先決だ。そうしなければ、結婚も出産も増えない。

人は本来、「つがいになりたい」気持ちがあると思う。だが、それを社会が阻止しているような状態にある気がしてならない。

「結婚してしまえばどうにかなる」時代ではないことは、厳しい状況で働いている人たちならみんなわかっている。だから結婚に二の足を踏むのだ。

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