今後更に社外取締役を選任する企業は増加する見込み

取締役

社外取締役の影響は今後高まっていくかも

LINE株式会社の元社長である森川氏が2015年3~4月の間にベンチャー企業4社の社外取締役に就任するなど、最近社外取締役を増やす企業が増加し、また著名な方が複数の企業の社外取締役を兼務することが増加しています。

なぜこの時期に社外取締役を増やす企業が増加しているのでしょうか?また、そもそも社外取締役とは何でしょうか?今回は、「社外取締役」のシゴトに焦点をあてたいと思います。

東証1部・2部上場企業では社外取締役を2人以上選任へ

そもそも社外取締役とは、その企業の通常の業務活動には従事せず、取締役会の監督機能強化を図るために設けられた取締役になります。通常、経営から独立した立場にある外部有識者が選任されます。

期待される役割・シゴトとしては2つあります。1つは、業務執行の妥当性を監督すること。もう1つは、外部の風を取り込むことで、取締役会の議論を活発化させ、企業価値向上を図ることです。業務執行の妥当性を監督するとは、成長を続けるための事業の進退出など経営の監督を行うことです。これには、株主などステークホルダーを考慮しながら経営の意思決定を行うことができ、ガバナンス強化につながる役割もあります。

また、外部の風を取り入れることで、新しい経営手法の構築や経営資源の活用が可能となる可能性があります。社内では当たり前のことでも外部から見れば異常なこともあるでしょうし、縛りのない立場から助言することで思い切った経営改革を行うことも可能となるでしょうし、ひいては企業価値向上へとつながると期待されています。

実は会社法の改正により、2015年5月以降において、上場企業を中心に有価証券報告書の提出を行う企業では、社外取締役の選任がない場合には株主総会で説明しなければいけないことになりました。つまり、社外取締役を置くことが相当ではない理由を株主総会で説明する必要があるのです。

また、東京証券取引所によれば、6月から、東証1部・2部の上場企業では独立性の高い社外取締役を2名以上選任するように促していくことになるようです。これは、株主との対話が目的であり、企業価値向上のための施策と考えることができます。

社外取締役の掛け持ちは可能

こうした状況もあり、社外取締役の選任が増加しています。ただし、社外取締役を複数選任している企業はさほど多くはありません。今後、複数の社外取締役が選任されることが上場企業では当たり前の時代になっていくことと想定されます。ガバナンスの強化、企業価値向上につながるような体制へとつながることを期待したいところです。

なお、上述の森川氏のように、社外取締役は1人で複数掛け持ちを行うことも可能です。これは複数の企業から企業価値向上への役割を担うのにふさわしいと期待されているからでしょう。ただ、あまりにも掛け持ちすると、本当にすべての企業の業務執行の監督ができるのか、といった点で疑問符が付くケースもでてくるかもしれません。今後は企業の動向を見る上で、社外取締役の行動、参加度合いもチェックする時代となっていくかもしれませんね。
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