2015年1-3月期の米国企業収益は2009年以来のマイナス成長へ
2015年1-3月期の米国の企業利益成長は、2009年以来となるマイナス成長を記録しそうです。上の表は、S&P指数採用500社の2015年1-3月期(あるいはそれに準ずる四半期)の利益予想についての市場平均予想です。500社全体の四半期予想利益は2,511億ドルほどになりそうで、これは前年同期の2,589億ドルに比べ、3%減というマイナス成長になります。
上の表では特に利益額の大きな上位40社を抜き出しました(40社で500社全体の利益の44%を占めます)。3ヶ月間の予想利益額トップはアップル(AAPL)の前年比+28.4%増となる124億ドルで、金額的にも最も貢献しています。
ドル高、原油安が業績不振の原因
一方、マイナス成長の戦犯は青色でマークしたエネルギー企業です。原油安によって利益額2位のエクソンモービル(XOM)が60.3%もの減益予想となっているのをはじめ、コノコ・フィリップス(COP)は99%の減益、その他、どこも大幅な減益額となっています。エネルギー企業を除けば、全体で5%を超える利益成長となりますので、如何に原油安が米国企業収益全体を蝕んでいるかが分かります。北米では裾野産業を含めると、多くの石油関連企業が雇用や機械受注を牽引しており、経済の牽引役の一つと言えます。それが、これほどの減益となるのですから、経済に与える悪影響も大きいと言えるでしょう。石油会社の今期設備投資額はそれぞれ十数%~20%以上もカットされます。そして採算性が落ちていることから石油・ガス掘削用リグの稼働数は劇的に減っています。2014年秋まで北米の稼働中リグ数は2,300基を超えていたのですが、現在はカナダ・米国合わせて1,128と、半減しました。この数字は現在まで17週連続して減少しています。リグが稼働すれば関連して様々な機械も使用されるのですが、それが大きく減少しています。さらに石油会社の数千億円に上る設備投資カットも加わり、米国の関連企業、特に機械関係の製造業に大きなダメージを与えています。米国の石油・ガス・鉱山の機械受注(新規)額は、前年に比べて大きなマイナスとなっています。米ISM製造業景況感指数も大きく下がっていますが、この石油関連業界の不振が影響していると思われます。さらに、3月の雇用統計が失望的であったのも、同じくこの業界の大量レイオフが影響しています。全米で第1四半期に予定されている解雇の34%は、原油安が直接の原因と言われます。
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