ファッションについて語る
先生:確かに。BABYMETALは、まず物語があって、それらの表現として、キツネ様を含めたデザインを提示していますね。コスチュームについてはどうでしょうか?
博士:
苦しいまでにタイトでなアーマーのようなBABYMETALのファッションは、不似合いとも言えるちびっこキャラと相まって、まるで子供のまま永遠の命を得てしまったバンパイアを具現化したよう…という意味で画期的でした。 PRITZにおいては、「まぁ、ちょっとゴスっぽいかなぁ」位の印象しかありません。 その間隙を一気に埋める為か、CHTHONICからの援用なのか、腕章等、ファシズム的なエレメントを多用しているようですね。「ファッショ」は「ファッション」なのでしょうか?
先生:
腕章については、批判的な反応もあります。確かに、想起されるものがファシズムやナチスにも通じますが、「ファッションとしてファシズム的なモチーフをつかう」と「ファシズムを思想として支持する」というのは別物ですからね。YMOの散開ライヴの衣装や舞台美術についても、表現として僕は評価しています。タブー視しすぎると、パロディーの対象にすらなり得なませんからね。
博士:
ももクロ~でんぱ組~BABYMETALにも見られる和風の「萌ドレス」は、日本のアイドルの一つの個性になっています。韓国もチョゴリとかあるんだから、そういうアイドル・コスを作ればいいのに…。
先生:
一般ウケするかはわかりませんが、僕は民族衣装が好きなので、歓迎します。実際、ベトナムの少数民族の町、サパに行った時、少数民族の衣装を着たアイドルのような娘達がステージで踊っていて、「いいなぁ~」と思っていました。