一番の壁、保育園からの「お迎えコール」
慣らし保育も終わり、いざ仕事にまい進というモードになったときに、それを打ち砕く、園からの「お迎えコール」。預け始めの子どもの体調は個人差が非常に大きく、「最初の1ヵ月は体調を崩して仕事を早退したり休んだりしてばかりだったけれど、その後落ち着いた」というケースもあれば、「数ヵ月~1年かけて少しずつ子どもが丈夫になっていった」というケースも。そして、「いつになっても常に鼻水が出ているような体調がすっきりしない状態がずっと続いている」ということも。子どもの新環境への慣れ、抵抗力のつくペースは様々です。お迎えコールの多くの原因となるのが、発熱。2歳代ぐらいまでは病気でなくても疲れなどで熱が高めになることもあり、登園前の高めの体温にヒヤヒヤさせられる場合も多いでしょう。発熱そのものには体が病気と闘っているという状態があり、そのつど免疫がついていていく部分もあります。その中で気にかけたいのが、軽い風邪などではなく、保育園児に多い中耳炎をはじめ、長引いたりその病気特有の治療が必要な感染症などが隠れている場合です。そのためにも、38.5℃以上の熱が出たり、微熱でも機嫌が悪い状態が続くような場合には、発熱の原因を探るための受診をおすすめしたいです。日頃から予防接種や健診などで相談しやすいかかりつけ医を作っておくことや、子どもが体調を崩しやすい夜間や休日の診療体制を確認しておくことも大切です。
仕事の成果、夫婦の家事や育児分担は長いスパンで
・「子どもが生まれる前と同じ」を目指さない時短で勤務時間が少ない、子どもの病気による早退欠勤……。これはもう、仕方がないのです。快く対応してくれる職場もあれば、対応はしてもらっても気まずさを感じる職場もあるでしょう。いかに「今は仕方がない」「いずれ挽回するから」と、思い切り仕事ができない状況を割り切れるどうかが、その時期を精神的に乗り切れるかどうかにつながります。
・家事育児の“完全”分担を目指すよりも……
家族は1つのチーム
しかし、常に完全分担を目指すと衝突を招きやすいのも現実。お互いに必死な「今」にはイメージしにくいかもしれませんが、1ヵ月後、半年後、1年後、3年後……と振り返った時に、「割とうまく分担してこられたかな」と振り返りつつ「今後はこういうところを改善していきたいな」と話し合えるような状態も、イメージしてみてはどうでしょうか。
最初の1年はとにかく試行錯誤しながら、「こうあるべき」像にとらわれすぎず、家族で新しい生活に慣れることを目標にするなど、「ある程度頑張れた」「大体分担できた」というような「大まか」なイメージを持った方が、家族全体への過剰な負担を避けられることもあります。
ママの健康が大黒柱
分担度が高ければ高いほど、夫婦どちらかのダウンによる影響は測りかねません。そして、共働きで夫婦で育児家事分担をしているケースでも、やはり、最大の危機はママのダウン。ママは一家の大黒柱なのです。大変な状況でも、特にママが元気に過ごすことができれば、怒涛の最初の1年間は何とか乗り切れます。そのためにも、既に十分頑張っているのですから家事の省力化には積極的に取り組み、今の状況でできること・無理なことも職場に明確に伝え、育児をしている人たちがダウンしないようにしましょう。>>>3つ目の土台は、忙しいからこそ必要な家族や地域コミュニケーション