手術によって球速がアップした投手も多数
ダルビッシュはあくまでも前向きだ。「初診でトミー・ジョンの手術をした方がいいと言われた瞬間に決めた。最初の日はちょっと“ああ手術か”と思ったけど、それ以降は何も考えていない。ポジティブな性格で、暗い気持ちは全くない。むしろヒジがどんどん良くなっていくんだと思うし、できることはたくさんあるので、それは楽しみ」ととらえた。この手術の成功率は90%以上で、しかも、プラスアルファがある。レッドソックスの田沢は2010年の春に手術したが、復帰後は球速が最速156キロまでアップ。手術前を上回るパフォーマンスを披露してセットアッパーに定着、昨季まで2年連続70試合以上に登板した。
球速がアップした投手は珍しくなく、ヒジを使えない期間、それ以外の箇所、とくに下半身の強化を図れるので今まで以上に速いタマを投げられるようになるのだ。もちろん、痛みや再発の恐怖から解放されることも大きい。田沢以後も、松坂大輔(現ソフトバンク)、和田毅(カブス)、藤川球児(レンジャーズ)と4年連続で手術を受け、全員がメジャーの舞台に返り咲いている。
レンジャーズのダニエルズGMは「この状況では(手術は)正しい決断だったと思う。回復具合は人によって違うが、来年5月までには戦列に戻ってきてくれれば、と思っている」と語った。ひと回り大きくなって、しかも、強くなってカムバックしてくるであろうダルビッシュに期待したい。