子どもへの向精神薬処方
抗精神病薬と抗うつ薬が増加

家族の理解が大事。

家族が理解し、環境調整を行うことも大事です。

1月13日、医療経済研究機構は子どもへの向精神薬処方の経年変化に関する研究結果を発表。抗精神病薬と抗うつ薬が増加傾向にあり、治験の推進が課題となることが分かったといいます。

子どもへの向精神薬の処方件数は、世界中で増加。日本での未成年の精神疾患による受診者数は、2002年95,000人から2008年には148,000人まで増加。2008~2010年の患者と2002~2004年の患者と比較した結果、6~12歳ではADHD治療薬は84%増、抗精神病薬は58%増と、増加傾向が認められました。13~18歳では、ADHD治療薬は2.5倍増、抗精神病薬は43%増、抗うつ薬は37%増と、こちらも増加傾向が認められています。

この結果から、子どもを対象とした治験が実施されているADHD治療薬だけではなく、抗精神病薬と抗うつ薬の処方割合も増加していることが判明しています(※)。

薬の服用で子どもの自己肯定感が上がることもある

しかし、日本国内で承認されている向精神薬のうち、子どもを対象にしたプラセボ対照無作為化比較試験を経たもの〔処方を認められているもの〕は、注意欠如・多動性障害(ADHD) 治療薬である、「アトモキセチン」と「徐放性メチルフェニデート」の2剤のみ。子どもへの投与に関する有効性や安全性が確立していない向精神薬を、やむを得ず使用していることが考えられます。

精神薬を子どもに服用させることに抵抗がある親御さんも多いでしょう。しかし、ADHDで授業に集中できず、集団生活に支障があるお子さんが、薬を飲むことでほかの子と同じようにふるまうことができ、問題行動がなくなるのであれば、そのお子さんにとって有意であると言えます。そのためには、専門家である小児神経科医や小児精神科医の診察を受け、診断を受けることが必要になります。そして、お子さんのために必要であれば、お子さんの症状に合わせた薬を処方してもらいます。

※今回の研究では、厚生労働省が実施した2002~2010年の社会医療診療行為別調査(毎年6月審査分の全国のレセプトを無作為抽出)のデータを二次分析。18歳以下の外来患者、延べ233,399件を分析対象。「日本における子どもへの向精神薬処方の経年変化: 2002年から2010年の社会医療診療行為別調査の活用」(奥村泰之, 藤田純一, 松本俊彦)より

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