日本のドラマがリメイクされる背景は?
韓国では昔、自国文化保護と国民感情に配慮するという理由から、日本の大衆文化流入が厳しく制限されていました。しかし1998年10月に当時の大統・金大中が来日した際に、日本大衆文化解禁の方針を表明。2004年までに段階的な規制開放が行われてきました。そんな中で、日本のドラマも有料放送のテレビ局に限って放送がゆるされ、マニア層を形成し始めたのです。では、なぜ日本のドラマがそんなにもリメイクされるのでしょうか?一番大きな理由は感情の起伏が似ていることではないでしょうか。私が長年、韓国人の友人とつきあったり、韓国ドラマを見てきて感じたことですが、韓国人と日本人が喜怒哀楽のツボは大変似ており、常識的な観念も非常に似ているのです。そのため、日本の漫画、アニメ、映画、ドラマは韓国人にも大人気。小説もたくさんの翻訳本が出版されています。
次の理由としては、ジャンルの多様性が挙げられます。地上波の規制が厳しい韓国ではドラマの定番ジャンルは、家族がそろって見られるホームドラマ、恋愛ドラマ、時代劇。しかし、時代の流れとともに、同じような傾向のドラマの繰り返しに視聴者は飽きてきたのです。しかし韓国の脚本家の多くは定番ジャンルを得意としているため、他のジャンルでの即戦力が乏しいことから、目がつけられたのが日本のドラマ。時代の最先端であるネット世代の若者たちがマニアになったり、すでに完成度の高い脚本があることで一躍注目を浴びるようになったのです。
3つ目の理由は、繊細な感情描写。韓国ドラマは登場人物の心理を熱く表現し、わかりやすいのが日本人には新鮮で魅力的に映るのですが、韓国人には逆に感情をむき出しにしない日本のドラマが奥ゆかしく魅力的に映るようです。つまりはお互いに無いものねだりというわけですね。