韓国、中国、豪州に押され気味のJリーグ
近年、Jリーグ勢は韓国・中国・オーストラリアに押されている。
Jリーグ勢は2007年に浦和レッズが、翌2008年にはガンバ大阪がアジアの頂点に立った。しかしその後は、韓国、中国、オーストラリアのクラブに押されている。
台頭が著しいのは中国勢だ。国内経済の活況を背景に、数年前からサッカーにも大量の資金が流れている。各クラブは豊富な予算を強みに、欧州や南米の有力な監督と選手を買い集めている。アジアの有力選手の獲得にも意欲的だ。もはやJリーグのクラブが手を出せなくなった現役ブラジル代表選手も、中国でプレーしている。
監督の顔触れも豪華だ。元イタリア代表ファビオ・カンナバーロ、イングランド代表監督を務めたズベン・ゴラン・エリクソン、元オランダ代表アリー・ハーンら、全16チーム中9チームが外国人監督を招いている。元日本代表監督のフィリップ・トルシエも、杭州緑城FCの監督を務めている。
外国人監督の“輸入”によって、中国のサッカースタイルが大きく変化するまでには至っていない。むしろ、それぞれの監督が培ってきた経験が、各クラブのサッカーに好影響をもたらしている。戦い方がしぶとくなってきたのだ。
韓国のクラブは、以前からJリーグに立ちはだかってきた。日本と同じように代表クラスの欧州移籍が目につくものの、アジアでトップクラスの実力を保っている。Jリーグ勢が勝てなくなった2009年以降の今大会で、最多3度の優勝を誇っているのだ。彼らの強さを支えるのは、アジアのサッカーを牽引してきたことのプライドである。
白星発進のチームがゼロという現実
7シーズンぶりのタイトル奪還を至上命題として、Jリーグ勢は2月24、25日にグループステージ初戦に臨んだ。日本から出場するのはガンバ大阪、浦和レッズ、鹿島アントラーズ、柏レイソルの4チームで、グループステージは4か国による総当たりのリーグ戦で争われる。また、グループステージは移動の負担を減らすために、アジアを東西に分けて開催される。日本は韓国、中国、オーストラリア、タイ、ベトナムなどのクラブと、東地区に振り分けられている。結果は散々だった。
ガ大阪は中国勢に、鹿島はオーストラリアのクラブに、ホームで敗れた。浦和はアウェイで韓国勢に逆転負けを喫した。初戦で勝点をつかんだのは、柏だけだった。
ACLはホーム&アウェイで争われる。地の利がある地元で勝点3をつかむのは、グループステージ突破への必須条件と言っていい。日本と同じ4チームが出場する中国は、全チームが白星スタートを切った。韓国は1勝1分2敗だが、ホームで戦った2チームは勝点をあげている。日本とは対照的だ。
>>なぜ、Jリーグ勢は勝てなくなってしまったのか。