歯科インプラント/歯科インプラントの施術方法・治療法

ベニアグラフト…インプラントの為の骨造成・骨移植術

インプラントを支えるための骨が十分にない場合、まずは骨のボリュームアップのみを先に行なわなければならないケースもあります。歯周病や歯根破折による感染などが原因で骨が大きく痩せてしまい、厚みの無くなった骨にインプラントを埋入することは出来ません。その骨造成が不可能であればインプラント治療はあきらめなくてはなりません。

梅田 和徳

執筆者:梅田 和徳

歯科医 / 歯科インプラントガイド

口腔内写真を見ての見解

口腔内写真

仮歯の装着部分が大きくやせ細ってしまった前歯部。欠損部を補う際には表面的な問題解決ではなく総合的な問題解決が必要不可欠。

欠損した前歯を補うように接着された2本の仮歯。その下の部分がかなり大きくやせ細ってしまっているのが確認できると思います。もしここに細いインプラントを入れる事ができたとしても長期維持はもちろん高い審美性を獲得することは不可能です。

ど真ん中の前歯2本ですから常に人の目に触れる部分。歯だけでなく、付け根の歯肉の形や色、周囲とのバランスまでもが良くなければ綺麗な口元とは言えません。人前で話すことも憚られ、常に視線を気にして内向的になってしまう方もいらっしゃいます。

欠損部の見た目を補うために接着した仮歯周辺の骨吸収が進んでしまった今回のケース。ただ目の前の問題だけではなく、総合的に悩みを解決する為の治療を提案することが大切なのです。

大きく進んだ骨吸収を補う

ベニアグラフト

ベニアグラフトという骨移植により、骨欠損した箇所の補填をおこなう。

今回のケースは骨吸収が進行しすぎてしまい上顎側の骨を一部貫通してしまっています。範囲は狭いですが深く大きな骨欠損のこの部分には、「べニアグラフト」という骨移植・骨造成術を行おうと選択しました。写真の右側はべニアグラフト後のCT画像です。今回は下顎親知らずの付近から2cm×2.5cmの骨を採取しスクリューで固定。固定した箇所は骨補填材などで更に多めに覆い、約5~6ヶ月ほど経過観察をしていきます。その後、移植した骨が定着したことを確認し、インプラント埋入手術を行うことが出来るようになります。

このようにインプラントを埋入する前に骨を増大させ、下地を作っておくことを「ステージドアプローチ」と言います。段階を踏み、ベストな状況でインプラントを埋入する為の下準備です。

希望を叶えてもらう、そのために

生活状況が違えば口腔内の状況も違うのは当たり前、まったく同じ状態の患者さんはいないでしょう。その分悩みも多岐にわたります。大切なのは、自分の求めていることを素直に伝えること。そして求めていることを良く理解してもらい、最善の治療を提案してくれるホームドクターを見つけること。求めている以上の結果を出すために研鑽を積んでいる歯科医も多いことでしょう。気軽に相談できる医院がひとつ有ると心強いですね。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※当サイトにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。
免責事項

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます