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家計に役立つピケティの新・資本論

全世界で100万部突破のピケティの「21世紀の資本」が話題になっています。700ページの大作を読むのは大変ですが、実はこの中には、あなたの家計を一考する貴重な情報があります。より良き人生のために、知っておいて損のないピケティのエッセンスをご案内します。

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

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世界で読まれるピケティの「21世紀の資本」

お金に関する、世界的なベストセラーが生まれました。フランスの経済学者ピケティが書いた「21世紀の資本」。世界で100万部以上売れて、経済政策についての論争を巻き起こしています。

どうせ我が家の家計のことなどには無関係だろうと思っているかもしれませんが、実はどっこい、大有りなのです。700ページを越す大作を読むのは大変ですから、要点と個人的解決策をご案内します。

メイン・テーマは所得と格差です。

労働所得と資本所得を分けて考える

所得とは、労働所得と資本所得の和です。この2要素の配分によって、社会の格差が決まってきます。資本所得の増え方が資本収益率だとすれば、労働所得の変化は経済成長率に集約されています。

そして、人類の歴史を検証して、次の命題を掲げました。

R > G


RとはRateの略、この場合は資本収益率です。
GとはGrowthの略、世界の経済成長率を指しています。


「R>G」が格差を生み出す

資本の収益率が、世界の経済成長率を上回るので、経済的格差は拡大します。資本家のリターンは勤労者のリターンを常に上回る、だから、経済成長しても庶民の生活はよくならないとも言えます。

そして、資産規模は相続されていくので、どんどん世襲型の格差社会が出現するというのです。たとえば、その資本主義最先端の米国では、上位10%の人が、全体の富の72%を占めるに至っています。最下層の50%はわずか2%しか所有していません。

この世界的な経済格差は、20世紀に入り縮小(格差是正)されたものの、近年は再拡大に向かっており、18世紀のそれに近づいているとも書いています。

格差縮小の対策として資産に課税する

これを改善するために、ピケティが主張しているのは、資産課税の強化。

しかも、世界全体で累進課税をするという攻撃的なものです。だから、反論もハンパじゃありません。

米国の元FRB議長のグリーンスパンをはじめとする、多くの著名な経済関係者、特に自由経済の信奉者たちは、ピケティ批判を繰り出しているので、余計に騒然とします。

対策は零細資本化になる

それはさておき、私たちは、何をしたらいいのか?

ガイドから読者の皆さんに送る回答は、簡単です。

・金融ポートフォリオを持ち、あなたも零細?資本家になること!

これは私の持論ですが、世界の経済成長を超える、資産拡大を実現できれば、あなたに格差の問題はなくなります。

最終的に、ピケティは「恣意的な不平等」が、民主主義社会や社会正義の価値観を脅かしかねないことを、問題提起しています。

その意味では、あなたが資本収益率をあげて、格差の勝ち組に入ることで、格差の拡大に貢献するわけで、根本的な解決にはなっていないのですが…。

それでも、一つの選択肢であろうと思っています。特に、資本収益率に無頓着である日本人にとっては!
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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