エコ住宅における断熱材の厚み
前述したように、壁内結露をさせないことは最低条件です。その上で、さらにしっかりと断熱材を入れることで家の断熱性能を高めることが、エコ住宅の基本になってきます。では、使用する断熱材の厚みはどのように考えていけばいいのでしょうか?もちろん専門書などで勉強していただくのもいいかも知れませんが、押さえておきたいのは次の3つです。・どのような断熱材であっても、厚ければ厚いほど断熱性能が高い
・壁、屋根(または天井)、床下、基礎部分それぞれの部分の断熱材をできるだけ厚くする
・壁の断熱を厚くする代わりに屋根の断熱を薄くするなどのトレードオフという考え方は採用しない
あとは、熱損失係数のQ値などを指標に断熱材の具体的な厚みなどを専門家に相談して決めていけばいいでしょう。コスト的な側面でみると、同じ断熱性能を出す場合は、コストが安い順に、高性能グラスウール<羊毛断熱材<セルロースファイバー<発砲ウレタン<外張り用断熱材 となりますので、これを一つの指標として覚えておきましょう。
※地域や施工会社によっては順位が若干入れ替わる可能性があります
断熱の上で外せない窓の存在
断熱の話で最後にお伝えしたいのは「窓」の存在です。実は断熱の内、全体の40%が窓に影響されていると言われて、エコ住宅を考える上でもとても重要な部位なのです。2014年は「窓革命元年」とも呼ばれていて、エコ住宅に熱心に関わる設計士や工務店がムーブメントを起こし、これまで日本に普及していたサッシの性能値を一気に押し上げる結果を生み出しました。大きく変わったのは、アルミ枠を使っていたサッシが、樹脂枠になったところです。
実はアルミ枠から樹脂枠になったことで、窓の断熱性能が2倍近くや高性能なものでは3倍以上になりました。全体の40%を占めていた窓の断熱性能が格段に上がったことにより、エコ住宅の断熱性能に大きく貢献したのです。これからエコ住宅を考える上で、樹脂枠のサッシを採用することを私はお薦めします。
いかがでしたか?
エコ住宅で押さえておきたい断熱の話で大切なのは「壁内結露をさせない工夫でしたしっかり断熱性能を確保した断熱材」と「窓革命で普及し始めた樹脂サッシ」の存在です。この要素をしっかりと把握してエコ住宅づくりに臨みましょう。