業務の不安を整理し、対策を取る
地域の方から道具を借りて、父母の会主催の餅つきイベント。お父さんも活躍
「子どものよりよい園生活」が土台の活動ですが、「子どものため」だけを考えていると、時に負担感が大きくなることもあります。慣例として行われていることでも年度ごとの活動の状況や全体的なバランスを見て、無理なく取り組めるよう見直したり、「みんながそれぞれの環境と照らし合わせてできること」をつなぎ合わせ、役員だけに負担が集中しないよう、業務を分担することも必要です。
具体的には
・年間の業務を視覚化する
年間予定を視覚化し、役員、係決めに先立って渡し、イメージをつかんでもらう。
・削れるものは削る
新体制スタート後の最初の集まりは、できるだけみんなで顔を合わせたいもの。その中で、何となく恒例で毎年やってきているものの中で、簡略化できるもの、削れるものについて意見を出し合う。
・集まる回数を最小限に
活動の節目などで年間に数回の集まりを設定する程度にし、主な連絡はメーリングリストなどで行う。しかし、メールのやり取りだけに頼るとコミュニケーションがうまくいかない場合も。そんな時は、コアメンバーで送迎時に時間を調整して顔を合わせて話をしたり、電話で話をするだけでも、メールだけのやり取りよりスムーズにいくことも。
・親もメリットを感じられる部分を大切に
企画運営の役割に就いたときは、その立場を生かしてやりたい親子イベントや、興味分野の講演会を提案してみるなど
・得意分野を持ち寄る
企画運営が得意な人、地域の人脈が豊富な人、持ち帰りの作業(文書作成、ものづくり)……。それぞれの得意分野を持ち寄る。
特に最年長のクラスでは、卒園前の数ヵ月を通し、卒園記念イベントの企画や記念品を決めたり作成、手配したりする作業を通して、保護者同士の距離がグッと近づくことがあります。「もっと早くから仲良くなれればよかった」「せっかく仲良くなったのに、卒園なんて寂しい」などの言葉を、私も子どもたちの卒園の度に耳にしました。
保育園のつながりは地域のつながり。活動を通して、母親たちだけでなく父親たちの連帯が生まれるケースもあり、とても心強いものです。そしてそれが主目的ではありませんが、災害時の安心感につながったり、保育園生活にかかわるトラブルを経験した時に、孤立感を感じずによりよい解決策を探せることにもつながります。
そして最後に、
・完璧を求めない
活動するからにはいいもの、いい活動を作り上げたいと思うのは、連帯感が生まれ仲が良くなればなるほど高まる思い。しかし、そこでまた原点の「立場や思いは様々」ということにもふと立ち返ると、無理なく気持ちよく活動ができるのではないかと思います。