飯山線の車窓から(長野~豊野~飯山~戸狩野沢温泉)
長野から豊野までは、しなの鉄道北しなの線を走る。豊野で妙高高原、直江津方面への路線と分かれると、いよいよ飯山線に乗り入れ、いかにもローカル線といった架線のない単線の線路をのんびり走りだす。信濃浅野を出て、しばらくすると右手に千曲川が見えてくる。これから越後鹿渡の先まで2時間近く、列車は、飯山~戸狩野沢温泉付近などの一部区間を除いて千曲川(新潟県に入ると名称は信濃川に変わる)沿いに走る。越後鹿渡付近まで常に車窓右側に見えるので、座席を選ぶときには気をつけたい。
列車のすれ違いが行われる替佐駅は、到着時に唱歌「故郷」(うさぎ追いしかの山・・・)や「朧月夜」などのメロディーが流れる(曲は4種類あり、どれが流れるかは行ってみてのお楽しみ)。地元出身の国文学者高野辰之が、これらの唱歌の作詞者であるためで、駅名標にも「故郷」の楽譜と歌詞が記されている。近く(クルマやバスが必要)には、高野辰之記念館もある。
蓮(はちす)を経て、飯山の市街地に入り飯山到着。北陸新幹線飯山駅開設に合わせて、従来の駅を300mほど南に移設して新しい駅となった。ちなみに、新幹線の飯山駅の発車メロディーも唱歌「故郷」が使用される
従来の飯山線ホームには鐘楼があり、ユニークな駅として知られていたが、新駅ホームには設置されず、新幹線開業後、鐘は駅近くの「雪と寺の町シンボル広場」に移される。
春は駅裏の菜の花畑が美しい信濃平を経て戸狩野沢温泉駅へ。長野からは1時間前後で到着する。ホームにある野沢温泉道祖神が人目を惹く。駅名のように戸狩温泉、野沢温泉への玄関口で、冬はスキーヤーも利用する。
飯山線は、長野と戸狩野沢温泉駅の間の乗客が多く、とりわけ飯山まではビジネスパーソンの利用も目につく。しかし、北陸新幹線が開業すれば、首都圏からの乗客は、新幹線で直接飯山に向かうものと思われる。飯山線にとっては痛手だが、逆に飯山まで新幹線でやってきて、その先、飯山線に乗る観光客が増えるかもしれない。そんな需要を喚起するため、飯山線に新しい観光列車が登場することになった
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