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懐かしい気分に!JR飯山線の観光列車「おいこっと」(3ページ目)

JR飯山線は長野県北部を流れる千曲川に沿って走り、絶景車窓で知られる。また、沿線の飯山付近は唱歌「故郷」ゆかりの地でもある。北陸新幹線の駅ができることで、格段に便利になる飯山。それに合わせ、飯山線では、2015年4月4日から新しい観光列車「おいこっと」(長野~十日町)の運転が始まった。唱歌「故郷」や夏休みに遊びに行った「おばあちゃんの家」のような懐かしい情景をイメージした列車に乗って沿線を旅したい。

野田 隆

執筆者:野田 隆

鉄道ガイド

観光列車「おいこっと」の車両について

飯山駅のおいこっと

雪の飯山駅で公開された「おいこっと」 撮影=勢芳明氏 (C)Yoshiaki SEI


新しい観光列車の愛称は「おいこっと」。聞き慣れない言葉だが、それもそのはず、東京のローマ字表記TOKYOを逆から読んでOYKOT(TOKIOならOIKOT)とした造語で、東京とは真逆で対極にある鄙びた田園、「日本人のこころのふる里」をイメージしたとのことだ。
おいこっとサイド

うさぎ、山、小鮒、川といったアイコンが並ぶ「おいこっと」サイド


唱歌「故郷」ゆかりの沿線であることから、窓と窓との間に描かれたアイコンは、うさぎ、山、小鮒、川、と並んでいる。もちろん、「うさぎ追いしかの山、小鮒釣りしかの川」という「故郷」の歌詞をイメージしたものだ。さらに、歌詞の2番にでてくる父母、友がき、雨、風というアイコンが続く(参考、歌詞2番「いかにいます父母、つつがなしや友がき、雨に風につけても、思いいづるふるさと」)

車両アイコンは、豪雪地帯を走ることもあって、「雪ん子」をイメージしたキャラクターと「おいこっと」の文字を組み合わせ、「いいかわ、いいそら、いいやません」というキャッチコピーも添えられている。
おいこっとアイコン

「おいこっと」のかわいいアイコンとキャッチコピー

おいこっと車内

「おいこっと」車内。元の車両と大幅に異なる座席配置ではない。撮影=勢芳明氏 (C)Yoshiaki SEI


車両は、飯山線の列車に使われているキハ110系ディーゼルカー2両を改造した。といっても、大改造ではなく、元の車両の座席配置を踏襲した改装である。セミクロスシート(車内中央が向い合せのボックス席、ドア近くが窓を背にしたロングシート)の配置はそのままで、吊革もついた状態だ。これは、通勤通学用の普通列車としても使用することを想定しているからで、「おいこっと」運行開始までは、一般車両と連結した編成の普通列車としてすでに走りだしている
テーブル付きボックス席

テーブル付きの4人掛けボックス席。撮影=勢芳明氏 (C)Yoshiaki SEI


ロングシートは、一見すれば観光列車には似合わないような気もするが、ソファータイプの座席であること、観光列車として使う時はテーブル付きとなることから、飲食を楽しむには、他人と向いあうことがないので好む人もいるだろう。ブラインドを降ろすと、障子のようで和室にいる雰囲気となる。JRのチラシ説明の表記を借りれば、子供の頃、夏休みに遊びに行ったおばあちゃんの家のような、懐かしさ、楽しさを感じさせる「古民家」風のこころ落ち着く内装である。
ロングシート部分

ロングシートもテーブル付きで意外に快適だ。撮影=勢芳明氏 (C)Yoshiaki SEI

「おいこっと」の運行情報については、次のページ参照

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