朝4時から開店!京都っ子に人気のうどん店
喫茶店文化が根付く京都は、休日ともなるとモーニングを楽しむ方がいっぱい。朝のスタートが早い京都ですが、なかでも群を抜いて早いのが、その名も「早起き亭うどん」。聖護院にある谷口製麺所が営むうどん店で、打ち立てのうどんが食べられるとあって、早朝ゴルフに行く人や、市場へ買いつけに行く人たちの間で大人気です。
お店は製麺所の倉庫の一角をビニールシートで覆った簡易なもの。いかにも製麺所って雰囲気がレアでいいでしょう? 冬場は寒いけれど、「寒い、寒い」と言いながら、熱々のうどんを食べるのがたまらないんです。
先払いのシステムで、小さく開いた窓で注文し、うどんの受け渡しをしてもらいます。うどんは注文してから茹でるので、待つこと数分。待っている間も、工場から音が聞こえてきて、その活気が伝わってきます。
やわらかな京風だしに合うやわらかなうどんが魅力
私が頼んだのは「おかあちゃんのうどん」。ふわっふわのかきたまがたっぷりのった素朴なうどんで、九条ねぎがいかにも京都といった風。おだしのいい香りに、ノックアウトです。
少々唐辛子を加え、ダイナミックに混ぜて食べると、優しいだしの味が口いっぱいに広がります。私は生粋の東京人ですが、うどんはやっぱり関西、それも京都だなと思う瞬間が、このだしを飲んだ時。醤油はあくまでも脇役で、だしの味が主張しているのが、たまらなく好きです。
同行した夫が頼んだのは「進化するカレーうどん」。何でも日によって具が違うのだとか。汁を飲むと、スパイスがしっかりときいていて、これはただものではないという感じ。深みと複雑味があって、じわじわと辛さがきいてきます。小さなご飯がつくのですが、汁をかけて食べると絶品。卵を落としても良さそうです。
そうそう、肝心のうどんですが、讃岐うどんのようなコシのあるタイプではありません。やわらかめで、汁にすんなりなじむソフトタイプです。最初に京都でうどんを食べた時、このやわらかさに驚いたのですが、京都のだしにはこのやわからいうどんが合うのだなということが良くわかります。消化もいいので、胃が疲れた時にも向きます。
さて、こちらのうどんを作る谷口製麺所ですが、創業は大正3年の老舗。国産小麦を使用したうどんは、市内の食堂や給食センターに納品しているそう。お店ではうどんも持ち帰りできるので、お土産にしてもいいですよね。看板にもあるよう「早起きは三文の得」。空気の澄んだ京都の早朝を、できたてのうどんで幕開けしてはいかがでしょう?
■早起き亭うどん
住所: 京都市左京区聖護院蓮華蔵町9 谷口製麺所脇
電話:075-761-0091
営業時間:4:00~13:00
不定休
カード不可
アクセス:京阪線・三条京阪駅から徒歩約11分、京阪鴨東線・神宮丸太町 徒歩8分