大原のお寺めぐり まずは来迎院へ
おなかがいっぱいになったところで、再び三千院を目指して歩いて行きます。道脇を流れる呂川の流れの音が、心地よく耳に響きます。三千院への道と呂川の流れ
ものの10分ほど歩くと三千院の門前に出ますが、もし時間があれば、先に立ち寄りたいのが、三千院から5分ほどの所にある、来迎院というお寺。
大原は、かつて、「声明(しょうみょう)」という仏教音楽の聖地でしたが、来迎院は、「声明」を大成した良忍(りょうにん)上人が開いたお寺。三千院の近くにありながら、訪れる人も少なく、境内は静寂に包まれています。
来迎院
本堂にまつられているのは、平安時代の作という三体の仏様。目をつぶって静かに手を合わせると、「仏様と向き合うというのはこういうことなんだな」と、分かる気がします。
来迎院から、さらに山道を10分ほど歩くと『音無しの滝』という、見応えのある滝がありますが、冬場は足場が滑りやすいので、お気を付けください。
三千院で写経体験
さて、来迎院から道を引き返し、三千院を拝観しましょう。三千院は有名なお寺ですので、何度も訪れたことがあるという人も、いらっしゃるでしょう。
「もう、普通の観光は飽きた」という人におすすめなのが、写経体験。拝観受付で、写経希望と申し出ると、写経会場に案内していただけます。奉納料は1000円。
写経 三千院にて
やってみたいけど、字が下手なので自信がない、という人もご安心下さい。上の写真のように、お手本の上に用紙を置いてなぞるだけなので、初心者でも問題ありません。所要時間、およそ一時間半ほど。
字を写すことに没頭すると、心から雑念を追い出すことができます。心をリフレッシュするのに、おすすめだと思います。
写し終わったお経を奉納したら、順路に従って、境内を一周。
三千院で、なんといっても有名なのは、苔の庭に浮かぶように建つ『往生極楽院』というお堂。中には、国宝の阿弥陀三尊像がまつられています。紅葉の季節は、こんな感じですが、
秋の往生極楽院
冬は、すっかり雪景色の中に…。
冬の往生極楽院
宝泉院で抹茶をいただき、ホッと一息
大原のお寺で、もう一ヶ寺、おすすめするとすれば宝泉院というお寺。建物の柱と柱の間を額縁に見立ててお庭を鑑賞する『盤桓園(ばんかんえん)』と名付けられた「額縁庭園」や、伏見城の遺構を利用した「血天井」で知られるお寺です。
宝泉院の額縁庭園『盤桓園』
ふだんは人の多いこのお寺も、冬はとても静か。抹茶とお菓子をいただきながら、心ゆくまでお庭を眺めることができるのも、この季節ならではです。運がいいと貸し切り状態になることもあります。
宝泉院についての詳しいレポートは、下記の記事をご覧下さい。
■京都の庭園 ゆったりお庭鑑賞は一人旅がおすすめ
次のページでは、天然温泉の露天風呂に入ります。