たとえば、自分は金融商品を分かりやすく説明することが得意だが、それを販売につなげて報酬を得ようとするなら証券外務員資格が必要だ、だから取ろう。あるいは、確定拠出年金の投資教育セミナーに講師としては、DCプランナー資格がないと呼ばれないから、1級DCプランナー資格を取ろう、とかいった具合に資格取得を重ねてきました。
資格は仕事の必要条件に過ぎない
私の場合は、資格を取ると収益が見込めたから取ったのであって、資格を持てば収益が生まれるのではないか甘い夢を見て取ったものではありません。でも、資格を取れば収入も増えるみたいな虫のいい錯覚をさせるノイズが身の回りにあふれていますから、ご用心ください。世の中にはいい加減なことを吹聴する人がいるもので、「資格は財産になる!」なんてけしかけて、資格取得の勉強をすすめたりします。あるいは「自分に投資しよう!そのためにはまずは資格取得から!」みたいな無邪気な啓発メッセージもよく聞かれます。
そんなことを言うのは、きっと国民の学習意欲を高めたいアカデミックなえらい人か、学習産業に関わっている利害関係者たちでしょう。自分の力でキャリアを切りひらき、努力に見合うお金を稼いできた人なら、資格なんてそれ自体では何にも生み出さないことを知っています。
大事なことは、あなたがどんな資格なら取れそうか?ということではありません。あるいは、世の中でどんな有資格者が求められているか?ということでもありません。
資格の前に自分の適性と熱意を問う
一番先に発見して欲しいのは、あなたの内面に潜む能力、得意技、長所は何か?ということなのです。あなたに得意なことは何で、どんな仕事なら夢中でやり遂げられるだろうか?と自問してください。その上で、そのことを堂々と仕事とするために、どんな資格が必要なのかを調べてください。ひと言でいうならば、夢中になれる仕事はなんですか?ということです。
「資格を取ってみないと分からない」なんてさびしいことをいわないでください。資格にまつわる経験者には勝者にも敗者にもたくさんいます。少し身の回りを聞き取りをしてみれば、真実はすぐに分かるはずです。
本当に稼ぐ力は、あなたの中にしかないのです。