年収200万円時代に考えるお金サバイバル術/カリスマ経営コンサルタントの仕事とお金のサバイバル術

年金は75歳からで良い?カリスマが語る収入アップ術

ワークライフバランスが叫ばれ、多種多様な働き方が生まれている今。キャリアとお金に対する不安から逃れるには、何を見据え、どんな風に働いていけばいいのでしょうか。ビジネスマンの仕事術や経営に関する多数の著著を持つ経営コンサルタントの中島孝志さんに、「これからの時代を生き抜くために必要な力」を取材。5回に渡ってお届けします。

あるじゃん 編集部

執筆者:あるじゃん 編集部

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年収200万円以下が1000万人超えは8年連続だが

収入がなかなか上がらない2015年。どうしたらいいのか?

収入がなかなか上がらない2015年。どうしたらいいのか?

2015年が始まりました。収入やお金の不安から解放されるためには、どうしたらいいのでしょうか?今回はビジネス書のカリスマ著者である経営コンサルタントの中島孝志さんにインタビュー、収入が上がりにくい時代にサバイバルする方法についておうかがいします。

――年収1000万円以上の人が、前年度より14万人増加して全体の4%になった一方で、民間企業で働く年収200万円以下のいわゆる“ワーキングプア”層が1100万人以上に増加。ますます格差が広がる結果になりました。

中島孝志さん 年収200万円以下の層が1000万人を超えるのは、すでに8年連続です。ですが、仕事自体が本当にないのかといえば、そうではないですよね。今、労働力不足が叫ばれていて、特にサービス業はどこも人手不足に喘いでいます。なのに、若い世代が来てくれない。つまり、人材のマッチングがうまくいっていない状況です。

――これからの時代、働き方はどんな風に変わると見ていますか?

中島 ワークシェアリング、タイムシェアリングがますます進むでしょうね。日本の高齢者と呼ばれる人たちが、1日数時間だけ働いてスキルを生かして働いたり、年金の不足分を補って社会に参加する。そういう流れになっていくと思います。

日本では、高齢者の概念は65歳以上とされていますが、今の年寄り世代はまだまだ元気だし、一番お金を持っている世代。だから僕は、「高齢者の概念」を10歳ほど先送りした75歳にして、年金の支給もそこからでいいと思っているくらい。元気なうちはずっと働く。そのためにも、自分のスキルを着々と磨き続け、なおかつ元気に働ける体を維持することが大切です。

手間やお金をかけてスキルを身につけたい人が減っている

――格差がさらに広がることで、若い世代の間には不安を感じる人も多い。キャリアとお金の不安から逃れるにはどうすればいいのでしょうか。

中島 今、若い世代を見ていて思うのは、自分から手間やお金をかけてスキルを身に付けようといった意欲のある人が減っているなあということ。

私が約30年間主催しているビジネスマンのための勉強&交流会「キーマンネットワーク」「原理原則研究会(東京、名古屋、大阪、博多、札幌、新潟、出雲でほぼ毎月開催のセミナー)」でも、20代の姿は随分少なくなりましたね。

以前は、企業の部長・課長クラスが会社のお金で参加することが多かったのですが、不況になってその姿が減り、代わりに増えてきたのが、30~40代の起業家やビジネスマン。ただ、なかには沖縄からわざわざ参加してくる女性や、経営のことを学びたいと通う大学院生、アジアの留学生など、意欲ある若手もいます。沖縄の方は、月に1度参加するのですが、異業種の人たちと触れ合うことで刺激やヒントを得たいという意識を持っているようです。

――若い世代ほど“組織にとらわれない働き方をしたい”という意識が強いようです。

中島 組織にとらわれない働き方をしたいなら、自分の付加価値を上げないといけません。企業が自社の価値を高めたいと思うのと同じように、個人も“自分の時価総額”を上げるべきです。「余人をもって代えがたし」というように、代わりの効かない人物になること。そうでないと、組織を飛び出して広い大海原に出ても、たちまち淘汰されてしまうし、自分を安売りするしかなくなる。いったん安売りを始めると、どんどん価値が値崩れし、“時間と身を削っているのに収入に結び付かない”という不幸せな状況を生んでしまいますからね。

★次に、収入が上がらない時代にもっとも大事なことについておうかがいします

教えてくれたのは……
中島孝志(なかじまたかし)さん

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東京都出身。PHP研究所、東洋経済新報社を経て独立し、経営コンサルタント・経済評論家・ジャーナリスト・作家・ビジネススクール講師として活躍。ビジネスマンのための勉強&交流会「キーマンネットワーク」「原理原則研究会(東京、名古屋、大阪、博多、札幌、新潟、出雲でほぼ毎月開催のセミナー)」を30年間にわたり主催。執筆した著書は280冊、電子書籍は100冊を超える。

取材・文/西尾英子

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