お金のことはだれも教えてくれない
「20代のお金の教科書」20代で知っておきたいお金のこと全部満載
山崎俊輔さん:そうですね! 懐かしい! FPの資格を取って僕が先にオールアバウトのガイドになったので、当時フリーアナウンサーだった山口さんにも「オールアバウトのガイドになったら」って仕事を紹介したんですよね。
――今のFP山口があるのも、山崎さんのおかげ、御恩は一生忘れません。
山崎さん:はいはい、神楽坂のランチでいいです。
――ランチビールもつけましょう。
山崎さん:じゃ、遠慮なく。
――本にも書きましたけどね、当時山崎さんは、なんと!借金があったのですよ、みなさん。
山崎さん:そりゃ、20代の普通のサラリーマンですから借金くらいするでしょ。
――名古屋人の私にとって、借金は敵! FPになろうって人がなぜ?って思いましたよ。
山崎さん:だって、オタクだから収入の3割はアニメのDVDやゲームにつぎ込んでましたからねー。年収もまだ低くて生活がカツカツだから、給料日前にクレジットカードでキャッシングしたら、簡単に借りられたんです。金額的にはそれほど多くなかったのですが、やはり返すのは大変でした。お金を借りたらどうなるかとか、いくら貯めたらいいとか、学校では教えてくれないでしょ。
――「パパもママも彼氏も教えてはくれなかったわ」っていう人多いです。
山崎さん:ある意味、生活の中では一番大事な知識なのにね。僕もFPのライフプランの講座を受けなかったら、危なかった。新入社員の頃に知っておきたかったと思います。
――我が家は商売をしていたので、お札を数えたりしてお金と触れ合ってましたけど。親や学校で教えてもらってないから、お金のことはわからないというのは、言い訳の様な気がしますね。
山崎さん:確かにそうかもしれません。でも、山口さんが社会人になったバブル期は「お金のことわからない~」と言ってても、給料は上がるし、預金の利息は7%くらいあったし、よかったんですよね。団塊ジュニア以降は年収がほとんど上がらないのでちょっと借金にハマるとなかなか抜け出せないんです。今後お金のことを知っている人と、知らないで歳を重ねる人と、将来3000万円くらい、いやもっと差が出るでしょう。
どうやって増やす?より、何のために?が大事
――どうやったら、お金が増えますか?というのは、誰もが聞きたいことですが、この本にはそのハウツーの以前の話も多いですよね。山崎さん:借金していた20代の自分に教えたかったことを、全部書いておきました。給与明細を見れば自分の評価がわかるぞとか、確定申告を会社員でもした方がいいぞとか、雇用形態の違いは2億円以上の差があるぞとか。
――それは、私が知っておきたかった(笑)。地元のテレビ局のアナウンサー試験の温泉で行われた最終面接で……。
山崎さん:温泉?!
――そう、最終面接は温泉。バブル期だわ~。そこで「君はフリーでやっていきたまえ」って言われて「は~い、いろんな局に出たいからフリーになります~」って、他の会社は受けなかったから以後フリーです。2億円惜しいことをしたわ。
山崎さん:稼いでるでしょ、それくらい。
――歌って踊るわ。
山崎さん:踊らなくていい。
――フリーの私でも、お金が貯められたのは、ただ節約生活をするだけじゃなくて、何のためにお金を貯めるのか、自分がどうなりたいかがはっきりイメージ出来ていたからだと思います。預金の残高が増えるのは、楽しいけどそれがゴールじゃないでしょ。
山崎さん:何のためにお金って貯めるの?
――使うためです。知らない間にお金を使っていたら、本当に必要なものにお金を使えませんよね。だから、自分でこうなりたい、これを買いたいがある人はお金が貯まりやすいです。
山崎さん:なるほどね。お金を貯めることで、将来の選択肢が増えることと、やりたいことを実現できる可能性が高くなると知っているから貯められるんですね。
――でも、今の20代は「失われた20年」の間で育ってますから、お金を使うこと=悪いことというイメージが強いんです。
山崎さん: 使わないんだ。
――使わない。毎日インスタントラーメンでもいいですって人もいます。日本のインスタントラーメンはおいしいですけど、他にもおいしいものがあることに気づいて欲しいですね。味噌煮込みうどんとか、きしめんとか、あんかけスパとか。
山崎さん:全部、名古屋名物じゃん。お金を使うことを罪悪感ではなく、お金を使うことは夢や自己実現のための道具だと変えられるといいですね。