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2015年為替相場の最大の注目は「米国の利上げ」

2015年。日本、欧州ではさらなる量的緩和が必要とされる一方、米国は年半ばにも利上げを実施するとの見方が強まっています。過去の利上げ局面で、ドル円相場はどのような動きをしたのでしょうか?2004年を例に考えてみましょう。

内田 まさみ

執筆者:内田 まさみ

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文言変更は、利上げへのシグナル?

2014年12月に行われた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、もっとも注目されていたのは、声明文の中の「相当な期間」という文言が削除されるかどうかということでした。

この文言は、QE(量的緩和策)が終了した後、米連邦準備制度理事会(FRB)がどれだけの期間、ゼロ金利を維持するのかを示すものです。10月にQEを終了し、声明文からこの文言が削除もしくは変更されれば、利上げが近づいたことになるため、市場から大きな注目を集めていました。

イエレンFRB議長が就任した直後、「相当な期間とはどのくらいか」と問われ、「恐らく6カ月前後」と数値に言及したことでも話題になりましたね。

さて、12月のFOMCの結果は大方の予想通り、「相当な期間」の文言は削除されましたが、「利上げ開始までは辛抱強くいられる」とし、あわせてこの新しい表現が「相当な期間」と同じ意味を持つと強調しました。はたしてこの変更は、利上げに向かって一歩進んだことを示しているのでしょうか?

2004年の利上げ時と似ているのか?

そこで、FRBが利上げを実地した2004年の動きをまとめてみました。
・2004年1月 「相当な期間」→「忍耐強い」へ変更
・2004年5月 「忍耐強い」→「利上げのペースをゆっくりとする」
・2004年6月 政策金利を0.25%引き上げて、1.25%へ

その後、2006年6月にかけて17回、5.25%まで利上げが実地されました。2004年1月の文言変更は、今回の変更ととてもよく似ていますね。

この間のドル円は、2004年1月の105円半ばから、2004年5月には114円後半まで上昇。利上げが実際に行われた6月からは調整入りし、2005年1月に101円半ばの安値を付けた後、再び上昇に転じて、2007年6月に124円まで上昇しました。「噂で買って、事実で売れ」という相場格言通りの動きで絶好の買い場を提供した後、20円幅を超える上昇トレンド形成したのです。

FRBは市場との対話を重視

2014年12月のFOMC後の会見で、イエレンFRB議長は「今後2回のFOMC、つまり2015年4月より前の利上げはない」と率直な発言をしており、利上げ開始時期は最短で2015年6月と見る向きが多いようです。

FRBの動向によって、世界のマネーの動きが大きく変わる可能性がある2015年。FRBは、あえて2004年の動きと酷似した動きをすることで、市場の動揺を最小限に止めようとしているように思えます。マネーの流れをいち早く感じ、大きなトレンドをつかみましょう。
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