火災が発生する街には特徴がある?
冬に多く発生する火災、その対処法とは?
犯罪心理学として有名な理論「ブロークンウインドウ(割れ窓)理論」では小さな犯罪を見逃さないことが重大な犯罪を防止することにつながるとされています。かつてNYでは重大犯罪が多発していましたが街中の「落書き」を消して駐車違反などの軽微な犯罪も見逃さない体制を作ったところ、銃撃事件などがピタリと収まった実例があります。
ゆえに住民の「眼」が街の隅々に行き届いているような街では「放火」や「犯罪」が発生しにくくなり、犯罪者が避けるようになることが知られています。外灯の電気が切れかかり暗い路地、道にゴミが散乱しているような「管理されていない」雰囲気の街は犯罪者を引き寄せてしまい「放火」などの犯罪発生件数が増える傾向があります。
年末年始にゴミを前日の夜から大量に出してしまったり、ゴミを散らかしていると、その場所が「犯罪をしてもかまわない」「誰も見ていないからOK」という雰囲気を作ってしまい、放火犯などを引き寄せてしまうばかりか、タバコのぽい捨てなども誘引してしまう可能性も考えられます。特に粗大ゴミや新聞など回収の日朝に必ず出すよう心がけましょう。
年末年始、乾燥した時期はリスクが高い
火事の発生件数は11月頃から上昇を始め、毎年3月まで多い状態が続きます。これはやはり、空気が乾燥している時期には、火災が発生しやすいということもありますが、住宅家屋の周囲に燃えやすいもの(粗大ゴミ、新聞・雑誌など)が放置されていることにより、放火の対象になりやすい状態が一時的に作られてしまうことも大きな原因と考えられます。もうひとつ冬の時期に問題なのは、一度発生した火災が、空気の乾燥によって周囲の家屋に飛び火する「延焼火災」となり、思いのほか大規模な火災につながってしまう可能性があることにあります。火災被害はいくら自分の自宅からの出火を防いだとしても、近隣の出火による被害の可能性も十分にあることも考えなければなりません。
これを防ぐためには地域全体に「放火しにくい環境」を作るとともに、それぞれの家からの「失火」の可能性を低く抑える他ありません。町内の見回り、防災訓練などを横目で見ていて、いつも不参可で済ましている人は、その分ご自宅を「危険な環境」にしてしまっていることを今一度見直しておくべきではないでしょうか。
基本的なこととして、定期的な消火器の使用期限の確認、簡易消火器(エアゾール式など)の台所への設置などの他、ゴミ捨て場の管理、ルールの遵守。自宅周囲の人感センサー付きの照明の設置などが効果的とされています。火災の多かった街が、これらを行うことで劇的に件数を減らしている例も数多く見られます。