非上場株式にまつわる相続トラブル
例えば、「会社を経営していた父に非上場株式(自社株)があり、その会社は長男が引き継いだが、非上場株式は長男と二男で半分ずつ分けてしまった」というケース。これでは相続後に次のようなトラブルが発生してしまいます。・長男は、会社の重要事項を決める際に、二男に協力を得なければならなくなる(株主総会を要する)。
・二男は、将来の自分の相続時に財産となってしまい相続税がかかるうえ、二男の相続人も株式を欲しくない。
予防策としては、以下のようなことが考えられます。
父:株価を下げる対策をしておく。株式を生前に長男に贈与しておく。株式を長男が相続できるように遺言を書いておく。
長男:代償として二男に払えるよう法定相続分(もしくは遺留分)に相当する現金を貯めておく。
二男:(先代の相続ですでに株式を持っているケースは)生前に長男に買取ってもらう(もしくは贈与する)。
ゴルフ会員権にまつわる相続トラブル
高額で取引されているものは問題ありませんが、ほとんど値段の付かないものも多いため、トラブルも伴います。・ゴルフ場を利用する人がいないので誰も引き継ぎたくない。
・引き継ぐ際、会員権の値段よりも名義変更の手数料の方が高いため損になる。
予防策としては、相続人がゴルフ会員権が不要なようなら「生前に売ってしまう」ことでしょう。
相続が発生した後では、関係者が多くなったり、相続税の期限10カ月という時間の問題もあったりします。分けにくい財産は何かと問題を伴うため、相続人が困らないように、生前からできることは「できる時」にやっておきましょう。
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