ビール/おすすめベルギービール

ベルギー産のインディアペールエールが珍しい

サンフーヤン醸造所の140周年記念して、アメリカのグリーンフラッシュ醸造所からChuck Siliva氏を招いて、ベルギーでレシピを完成させたビールです。ベルギーとアメリカの全く異なる醸造所のコラボレーションビール第3弾です。

執筆者:滝沢 健二

2つの醸造所のコラボレーション

Belgian Coast IPA

Belgian Coast IPA


先に紹介したサンフーヤントリプルと同じサンフーヤン醸造所のビールです。サンフーヤン醸造所の140周年記念して、アメリカのグリーンフラッシュ醸造所からChuck Siliva氏を招いて、ベルギーでレシピを完成させ、サンフーヤン醸造所で造っています。ベルギーとアメリカの、全く異なる醸造所のコラボレーション・ビール第3弾です。(フレンドシップ・ブリューともいいます)グリーンフラッシュは2002年創業のカリフォルニア州サンディエゴの醸造所で、ホップを効かせたビールが大人気、数多くの賞を受賞している急成長株の醸造所です。(グリーンフラッシュとは日出や日没の瞬間に太陽が緑色に瞬いて見える自然現象のことです)


India Pale Ale(IPA):インディア ペールエール


West Coast IPA

West Coast IPA

ベルジャンコーストIPA(アイ・ピー・エー)のスタイルはIPA(インディアペール)といいます。元々は大航海時代に南アフリカの喜望峰周りで、インド(当時は東南アジア全域)にビールを運ぶ際に、「防腐剤としてホップを多く入れていました」というのが名前の始まり。赤道を二回も通過するので、通常のビールでは腐敗が進んでしまいインドで飲むことは不可能だったわけですね。当時のエール:Aleと比べての話になりますが、ペールエール:Pale Ale(Paleは薄いという意味)の名の通り、ベースのビールは色が薄く透明感のある赤身掛かったビールが多かったようで、現在も色は明るめの銘柄が多くあります。ここ数年イギリス、アメリカを中心に、世界中で大人気のカテゴリーに成長しました。人気のあまり一部のホップが品薄になるほどです。近年ではブランドも増え、IPAの中でも細分化する考え方も定着してきました。味わいの濃さや、苦味の強さによって「ダブル、トリプル」とか、アルコール度数によって「インペリアル、セッション」とか呼んだりしています。元が保存性を高めたというレシピなので、麦芽も多く使っていてアルコール度数も若干ん高めが基本でした。そのためアルコール度数を下げて、現在風に飲みやすく仕上げるのもありなわけですね。


BelgianCoast IPA ベルジャンコースト アイピーエー


グリーンフラッシュ醸造所とのコラボレーションびーるです。

Belgian Coast IPA

ベルジャンコーストIPAは2種類のモルトと、近年アロマ系ホップの中でも人気のアマリロ(AMARIRO)を主体とした7種類のホップを使用、アルザス産のホップでドライホッピングもしています。通常のIPAは香り、甘さの少ないストレートなコク、強い苦味と、余韻が魅力のビールですが、ベルジャンコーストIPAはサンフーヤン醸造所の酵母を使用しているので、ベルギービールらしい発酵香と、ホップの香り、苦味のバランスが楽しめる、ベルジャンタイプの新しいIPAです。シンプルにまとまってしまいそうですが、少し熟れた果実とグレープフルーツのような柑橘も感じる、かるめの複雑具合が◎です。名前は元々グリーンフラッシュブリューイングで人気のウェストコーストIPAの名前を拝借しています。

次頁ではベルジャンコーストIPAにぴったりな料理をご紹介します。
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