私たちは、暮らしの中に多くの可燃物を必要として生活しています。燃えやすいものと共存するということは、火災発生時に燃焼を促進するものに囲まれているということ。その代表的なものが『カーテン』です。そこで大切なのがカーテンの防炎性能。今回は、カーテンの防炎性能がわかる『防炎ラベル』を紹介します。

防炎性能とは

防炎ラベル(イ)

防炎ラベル(イ)

防炎とは、燃えにくい事象のことです。繊維などの可燃物の燃えやすい性質を改良し、防炎性能を与えると、小さな火だね(マッチ・ライターなど) が接しても炎が当たった部分が焦げるだけで容易に着火せず、仮に着火しても、自ら延焼拡大を停止する性能(自己消火性)によって燃え広がらないようにできています。こうした性能を「防炎性能」といいます。(出典:公益社団法人日本防炎協会ホームページ)

この、防炎性能により火災の成長を抑制することで、初期消火や避難などの火災対応を行う貴重な時間的余裕をもたらしています。燃えやすい布製品を制作・販売する企業は『燃えやすいものを燃えにくく加工してから販売する』役目を果たしているのです。詳しくは公益社団法人日本防炎協会のページをご参照ください。

防炎加工とは

カーテンなどに利用される布には、縫製前にあらかじめ燃えにくくする薬剤を塗布する工程が含まれていて、それを防炎加工といいます。防炎加工には「一時性防炎加工」と「耐久性防炎加工」の2種類があります。加工専門の会社では、防炎加工技術者が繊維の選別判定やその素材に最適と考えられる防炎薬剤を選定します。そして、適正な防炎薬剤の濃度で、浸漬、塗布、吹き付け等の防炎加工を行っています。

手芸用品店などで防炎加工済みではない一般的な手芸用の布を購入し、自身でミシンなどで縫って完成させたカーテンの場合、この防炎加工がされていないことになりますから火災発生時に燃焼の促進につながる恐れがありますのでご注意ください。

防炎ラベルについて

防炎ラベルは全部で20種類程度あり、消防法令で様式、方法等が定められています。カーテンや木製等ブラインド、布製ブラインド(シェードなど)は必ず防炎加工がされています。

布の性能や性質によって加工が異なるため、同じカーテンでもクリーニングの扱いなどがそれぞれ違っています。取り扱いが容易に判断できるよう、次の4種類の表示に分けられています。(イロハニ、という区分けは消防法によるもので、実際のラベルには記載されていません)

(イ)水洗い洗濯もドライクリーニングも可能なものにつけられるもの
(ロ)水洗いが可能なもの
(ハ)ドライクリーニングが可能なもの
(ニ)洗濯後は防炎処理の必要があるもの

防炎ラベル(ヘ)

防炎ラベル(ヘ)

このほかに、洗濯後再防炎処理をしたものにつけられる(ホ)と、ポリエステル100%の商品を指定工場に送って再度加工したものにつけられる「洗濯後再防炎処理したもの」(ヘ)があります。商業施設用などに用いられるもので、一般にはあまり見かけないものかもしれませんが、間違いのないよう細かく表示が分けられています。

 

防炎ラベル、ドライクリーニング表示にご注意を!

購入したカーテンであれば裏側に防炎マークが印刷されたラベルが縫い付けてあるはずです。

防炎ラベル(ハ)

防炎ラベル(ハ)

左のマークは『物品ラベル(ハ)縫付』というもので、緑色の文字で「ドライクリーニング可、水洗いしたものは要防炎処理」と印字されています。「水洗いしてはなりません」という意味でドライのみ、を表しています。うっかり洗ってしまう前に、表示をチェックすることをおすすめします。水洗い不可のものを水洗いすると、せっかくの加工性能を失うことになりますから、カーテンの洗濯時はラベルの確認をお忘れなく。


高層マンション(31m超)の場合は防炎カーテンが必須!

建物高さが31メートルを超えるマンションを高層マンションと言い、11階建てくらいからを指します。11階以上が防炎加工が必要、と思われがちですが東京消防庁サイトの『高層住宅へお住まいの方』というページには、次のように記載されていますので、マンションライフの方はどの階にお住まいでも、防炎加工済みの商品の導入が必須です。
高層マンションは、避難に時間を要すること、火災拡大時の人命危険が大きいことから、消防法により、居住している階に関係なく、使用するカーテンやじゅうたん等を、防炎物品にしなければいけません。

オーダーカーテンの場合は、防炎加工の工程を含んだ布を選んでいるか、依頼先の担当者と確認しあうことが大切です。オーダー前に今一度チェックしてみてください。



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