1月の株式市場の傾向は?
1月相場は、年末最後の立会いである大納会に続き、年明け最初の立会いである大発会にも、ご祝儀の意味を込めた買いが入りやすく、株価上昇しやすい月と言われています。また、1月相場は、良好な相場環境から「ご祝儀相場」として投資家に広く知られています。今回は、1月の株式市場の動向について、実際に上昇するか過去の株価データから統計的に検証してみました。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
検証対象:全銘柄
検証期間:1990/03/01~2014/12/1
1銘柄当たりの投資金額:20万円
買い条件
・12月末の最終営業日の寄り付きで買い
売り条件
・25日経過後の翌日営業日寄り付きで売り
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12月末に全銘柄を購入し、25日経過後に売却した場合について検証を行います。仮に、勝率が50%以上で、損益がプラスならば、1月は株価が上がりやすい月となります。反対に、損益がマイナスであるならば、1月は下がりやすい月といえます。
以上のルールで、過去のデータを用いて検証した結果は、以下の通りです。
■株式市場の傾向(1月)の検証結果
勝率: 55.70 %
勝ち数: 37,916 回
負け数: 30,150 回
引き分け数: 1,744 回
平均損益(円): 4,298 円 平均損益(率): 2.15 %
平均利益(円): 20,533 円 平均利益(率): 10.27 %
平均損失(円): -15,871 円 平均損失(率): -7.94 %
合計損益(円): 300,020,556 円 合計損益(率): 150,012.04 %
合計利益(円): 778,538,707 円 合計利益(率): 389,278.24 %
合計損失(円): -478,518,151 円 合計損失(率): -239,266.20 %
プロフィット・ファクター(総利益÷総損失): 1.627
平均保持日数: 27.52 日: 0.768
以上が、株式市場の傾向(1月)の検証結果です。検証結果を見てみると、勝率は55.70%、平均損益は2.15%です。勝率が5割を超えており、1トレードあたりの平均損益も大きなプラスとなっていることから、1月は上がりやすい傾向があると言えるでしょう。過去のデータでは、12月も、投資家の節税対策の売りが一巡すると、買いが入りやすいことから、株価上昇する傾向があると言われています。特に12月中旬からは、買いが優勢となる傾向が強く、12月の流れを引き継き、1月も上昇トレンドを形成しやすい月と言えるでしょう。
1月が上昇しやすい要因には、ご祝儀の意味をこめた買いが入りやすいことや、年末年始で休業していた機関投資家が日本株を物色し始める月であることも要因として挙げられます。検証結果では、1月の勝率は1年の中でも1番勝率が高く、平均損益も4月に次いで2番目に高い月であることから、1月は1年の中でも特にトレードチャンスのある月でしょう。
では、上がりやすい1月相場で、過去、好調な成績を残している銘柄を確認してみましょう。
■1月好成績ランキング
上記の表は先ほどの検証結果において、勝率の高い銘柄のランキングです。ランキング上位の銘柄から特徴を見ると、「タイガースポリマー<4231>」「小野産業<7858>」「三光合成<7888>」「MICS化学<7899>」などの銘柄と相性がいいようです。
これらの銘柄の特長は、業種別には「化学」に分類される銘柄です。化学関連銘柄は、景気動向によって業績が左右されやすい景気敏感株の一つです。また、上記銘柄の事業内容を見ると、自動車部品の製造業を営んでいます。自動車生産量は、景気に対して敏感に反応しやすく、株式市場が好調に推移する中では、景気回復の期待から、上記の様な銘柄に買いが入りやすいことが考えられるでしょう。
景気敏感株には、化学のほかにも、紙パルプ・鉄鋼などの素材産業や工作機械メーカー、運輸産業などの銘柄も景気敏感株としてあげられます。相場環境が良好である1月相場では、上記のような景気に左右やすい景気敏感株に買いが入りやすいと言われています。システムトレードの観点からみると、景気敏感株の中でも1月相場と相性が良いのは、化学関連銘柄のようです。1月の投資戦略を考える上で「化学関連銘柄」に注目してみてはいかがでしょうか。
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