綺麗な着物姿=きもの雑誌のグラビア写真?

日常生活で着物を着る機会が少なくなりました

日常生活で着物を着る機会が少なくなりました

日常生活で着物を着る時代では少なくなり、身近で着物姿の人を見る機会もすっかり減った現代。着付け初心者が参考にと一番目にするのは皺一つなくポーズをとって微笑む女優さんやモデルさんの着物姿が載った「きもの雑誌」などではないでしょうか。

着物のグラビアはとても美しいのですが、実はああいった撮影では着物の下に綿やタオルを入れて凸凹を無くし、一旦ポーズを決めたら動かず、袖や裾のたるみを見えないところで摘んだり、紙を入れて形を固定したりと色々手を加え、最近ではデジタルな修正も施された画像であることがほとんどなので、実はあまり参考になりません。

よく「ここに皺が入るんですけど」「衽線が合いません」と相談される事がありますが、動けば皺が出来ますし、身体をひねれば衽線がずれる事だって当然のこと。そもそも衽線が合わないのは着崩れでさえありません。

着崩れとはどういう状態のこと?

裾

裾はこうなってしまってはいけません

では着崩れとはどういう状態の事を言うのでしょう?それは裾を引きずってしまい汚れてしまったり生地が破けてしまう、帯が落ちてしまう事。多少お太鼓が曲がっていようが、タレが少なかろうが全く問題ありません!

衿元が詰まってくる又は開いてくるのも、よっぽど首を圧迫してしまう、胸元まで見えてしまうというレベルでなければ無問題なのです。



どうでしょう?そう考えると着物を着るのが随分と気が楽になりませんか?もちろん美しい着物姿を目指して練習したり工夫するのはとても大切な事ですし思い通りのお太鼓が結べた時など、それは嬉しいものです。

ですが理想の着物姿にこだわるあまりに、着付けに何時間もかけてしまう、何度もやり直していては出かけるまでに疲れ果てててしまい、だんだんと着物を着るのが億劫になり「もう洋服でいいや~」となってしまうのが一番もったいないことなのです。

ちょっと自信が無くても、着物を着てどんどん出かける事が、何より上達の早道です。鏡の前でどれだけ綺麗でも実際に歩く、座る、食事する事で自分の身体の癖が分かり、それに対して着付けの段階での対処が良いのか、行動で気を付けるのかが見えてきます。

それぞれの体型で違いますが共通で気を付ける点は、階段などの段差で踏んでしまわない様に、足首が丸見えにならない程度にちょっと裾を持ち上げて動くこと。

お手洗いの際は裾が2、3重になっていますので一度にめくり上げるのではなく着物の上前、下前、襦袢の上前、下前と順番にめくっていきます。終わったらやはり一度にではなく一枚一枚下ろしていくと、不要な着崩れが防げますよ。

キツイでは無く、心地よい

裾を引きずらない為には腰紐の締め具合が肝心……と言うとギュ~っと痛いくらいに締めてしまう方がいますが、それだと辛くなるばかり。腰紐を後ろで交差させた時に、キュッと緩みの無いそれでいて痛い一歩手前の安定感を感じる程度に引き締めて結びます。

感じ方には個人差があるので具体的な数値には表せないのですが、帯の締め具合にも通じるのが、緩すぎると「落ちそう」という不安感が有りますが腰の上にしっかりと乗っかり、ある程度締め付け感が「心地よい」と感じる具合をつかんでください。

「今日はたっぷり食べる!」という方は帯を締める際、腰骨の上あたり帯の下線はしっかりと締め、帯の上線、みぞおちあたりは緩めに締めれば落ちずにお腹はいっぱいに食べられます!

なにはともあれ、多少の皺は気にせず着物を着て外へどんどん出かけていくのが、着物美人への近道ですよ!