演技大賞の裏事情

年功序列、対面を気にする韓国のお国柄ゆえに、新人が大賞に選ばれないという他にも問題点が。この俳優を選ぶと、ランク的にこの俳優も選ばなければならなくなるという局側の配慮で、1つの賞を2人の俳優が大賞を共同で受賞する例が相次いだのです。

当然ながら、それでは賞レースの意味がないとの視聴者から批判が集まり、2010年あたりからは、受賞部門をミニシリーズ(全16話~20話程度の作品)、中編(全30話程度の作品)、長編(全50話を超える作品)と細分化することで、できるだけ多くの俳優を受賞させるという苦肉の策が取られるようになりました。これには、自局のドラマで活躍してくれた俳優に賞を与えることで、次もその俳優を起用しやすくなること、そして多くのスターを授賞式に呼ぶことで世界からの注目が集まり、広告収入も増えるという、テレビ局側の皮算用も見え隠れします。

そんなドラマ界の体質や実態をリアルに描いたドラマ「オンエアー」が2008年に放送され、大きな話題を呼びました。のっけっから、女優役のヒロインが演技大賞で共同受賞を皮肉るシーンがあるなど、リアルすぎて業界筋からクレームが寄せられたという逸話も。ちなみに、男性主人公のプロデューサー役を故パク・ヨンハが演じています。

 

他にもあるドラマ関連の賞

ドラマ大国らしく、韓国にはドラマに関連する賞が「演技大賞」以外にもあります。いずれも、放送局の枠を超えて選定されるのが特徴です。

■百想芸術大賞
韓国の大衆文化、芸術の発展を芸術的士気高揚を目的に1965年に設立された賞。設立当初は演劇と映画が大賞でしたが、のちにテレビ番組も対象となりました。映画とテレビの両方を扱った総合芸術賞であり、長い歴史を持つことから、俳優たちが最も受賞したい賞だといわれています。

■コリアドラマフェスティバル
文化体育観光部、慶尚南道晋州(チンジュ)市などが後援し、2006年から始まった映像・文化イベント。その行事の中で、2007年からテレビ賞の授賞式が行われるようになった。地上波3局の他に、ケーブルテレビのドラマも審査対象に含まれる。

■ソウルドラマアワード
世界各国の優れたドラマを視聴者に紹介することによって、ドラマ制作を奨励する目的で2006年から開催されたドラマの祭典。韓国ドラマだけでなく、世界中の優れたドラマに対しても授与される。


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