諸手船神事(もろたぶねしんじ)
父神である大国主神から、2隻の諸手船が使者を乗せ、美保崎におられる事代主命のもとに国譲りの相談に向かったとされる神話を再現したものとされる行事。4月の「青柴垣(あおふしがき)神事」とならび、美保神社の代表的な特殊神事。2隻の諸手船(もろたぶね)に分かれ、白の水夫装束をまとった氏子が乗り込み、神社下の宮灘から冬の海を対岸まで3度にわたって競漕を繰り広げます。
アマチュアカメラマンや、民俗学・宗教学・神話学の研究者らが全国から多数訪れるという、いわば詳しい人だとより楽しめるお祭りでもあります。
諸手船神事の主なスケジュール
12月3日前日22:00 トーメー(港内で祭りの始まりを告げる儀式)
12:00 客人社祭(まろうどしゃさい) (一般非公開)
13:30 諸手船神事本祭開催 神社社殿
14:00頃 諸手船乗船 3度にわたって競漕 宮灘にて
続いて 應答祝言(おうとうしゅうげん)→再度3度にわたり競漕
続いて 神事・直會(なおらい)へ
※詳細なスケジュールは、神社公式サイトの諸手船神事特設ページに掲載されています。
諸手船神事の見どころ
神社・氏子関係者以外の一般人が見られる部分は、おそらく写真にあるような「海で舟を漕ぐ場面」と、前後の神事の一部だけではないかと思います。社殿での神事の際、「神鬮(みくじ)」と呼ばれるくじ引きによって乗船者が選ばれ、裃姿から白の水夫装束に着替えたのち、神社社殿から諸手船の競漕の舞台となる「宮灘」へと下っていきます。
いよいよ、最大の見どころである競漕が始まります。沖まで行ったり来たりしつつ、櫂で海水を掛け合うさまがよく、写真や映像で見られる場面です。撮影を主体にする場合、神事を見るのは泣く泣くあきらめ、宮灘周辺で場所取り・待機をすることになるでしょう。
この祭りにかかわる神職ならびに氏子は、当日までに厳しい禊ぎなどの修行を積んできています。その思いを感じつつ、ありがたく祭りをみせていただきましょう。
●諸手船神事
開催期日:毎年12月3日(毎年同日)
アクセス:
JR境港駅から美保関(みほのせき)コミュニティバス乗換 「美保神社入口」下車
電話:0852-73-0506 (美保神社)
神社公式サイト:http://www.mihojinja.or.jp/
写真提供:(公社)島根県観光連盟
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